宮澤ひなた

1999年11月28日生まれ(25歳)

マンチェスター・ユナイテッド所属

なでしこジャパンの10月シリーズにおけるベストプレーヤーとして、おそらく多くの人が中盤の黒子役を担った宮澤ひなたの名前を挙げるに違いない。

2023年の女子ワールドカップで大会得点王に輝いた快速アタッカーは、大会後に移籍したマンチェスター・ユナイテッドでボランチへ驚きのコンバート。今回のイタリア戦とノルウェー戦ではともに先発し、キャプテン長谷川唯のパートナーを務めた。

結果、イタリア戦で長谷川の同点弾をアシストし、ノルウェー戦も藤野あおばの「幻のゴール」は宮澤のスルーパスから生まれている。また、長野風花が入った際はより攻撃な役割を任され、エリア内でのシュートがクロスバーを叩くシーンもあった。

なでしこのボランチはこれまで典型的なMFと言えるタイプが多かっただけに、足が速いうえにゴールへの道筋が見える宮澤は明らかに異質。「普通のボランチにはなりたくない」と常々語る25歳は、まさに今後の進化を左右する存在だ。

清家貴子

1996年8月8日生まれ(29歳)

ブライトン所属

イタリア戦の前半アディショナルタイムとノルウェー戦の開始早々の2分、決定機にいずれもループシュートを選択し、ゴールを生み出すことができなかった清家貴子。

得点に至らなかったことを「決定力不足」と言うのは簡単だが、そもそも両試合において、DFラインの裏で得た最大の決定機に彼女が絡んでいた事実を見逃すことはできない。清家の抜け出しは強豪相手にも確実に通じるなでしこの大きな武器だ。

高橋はなの前年、2023年度のアジア年間女子最優秀選手賞を受賞した清家は現在、イングランド1部のブライトンに所属。世界最高峰の舞台でアタッカーとして成長を続けている。

10月シリーズでは2試合ともに先発。右サイドだけでなくFWでも起用されるなど、ニールセン監督の信頼は厚い。清家のスピードをどのように生かし、チーム戦術に組み込むか。54歳の指揮官の腕の見せ所でもある。