15シーズンに渡って常勝軍団J1鹿島アントラーズを支え続けた遠藤康さんは、2022年に故郷のプロクラブであるJ2ベガルタ仙台に移籍し、昨季に現役を退いた。
引退後はさまざまな活動に挑戦する男は、何を追い求めているのかー。
Qolyは遠藤さんにインタビューを実施。
初回はアマチュア時代に刺激を受けた元日本代表MF香川真司(J1セレッソ大阪)の存在や鹿島入団の経緯に迫った。
(取材・文・構成 宇田春一)
真司の方が優れていた
柔らかい表情で少年時代を振り返った。仙台市出身の遠藤さんは兄の健(けん)さんの影響で幼少期から競技を始め、小学生年代では天才少年といわれるほど宮城県下では有名な選手だった。
中学に進学すると、塩釜FCジュニアユースへ入団。東北で有名な存在だった遠藤さんは、後に日本代表に名を連ねる同い年の少年に衝撃を受けたという。
「真司のほうが僕より優れていた。(具体的に挙げるとすれば)ドリブルですかね。 プレーを目を当たりにして、プロの世界に行っても、『そのままの感じでやれるんだ』『あんなプレーができていいな』と思ったこともありました。まさかマンチェスター・ユナイテッドへ移籍して、代表で10番を背負う選手になるとは思っていませんでしたけど…」
兵庫県からみやぎバルセロナFCへサッカー留学をしていた香川は異質な存在だった。ともに東北選抜でプレーするなどライバルの出現に遠藤さんは刺激的な日々を過ごした。
「真司とのプレーは楽しかったですよ。(プレーを)目の当たりにして上手いなと思ったし、僕も負けないように頑張ろうと思いましたね」と、切磋琢磨した。