1年1カ月ぶりに復帰した男がチームのカンフル剤に

昨年6月28日に右ひざ外側半月板損傷により全治6カ月の見込みと発表されたが、復帰までに1年1カ月と長引いてしまった。

盛岡は昨季に主将を務めながら主力として君臨していた背番号8を欠いて低迷。昨季最下位でJリーグ退会を強いられ、今季JFLで戦っている。

ピッチ外でリハビリをしながら弓削は「去年はほぼプレーしていないので、外で見ながら本当に悔しい気持ちでした」と歯がゆい思いでチームを観ていた。

チームは第4節から第9節まで泥沼のリーグ戦6連敗を喫したが、5月31日に開催された第10節Honda FC戦で背番号8が復帰してから好転。

弓削の復帰からここまで4勝2分1敗と巻き返ししつつある。

先制点を決めたFW岡﨑大志郎を祝福する弓削(右)

「6連敗した後に自分が復帰したときは、みんな自信を失っていました。やりたいサッカーを見失ってた時期だったので、自信を持ってプレーすることを、声がけをしました。ネガティブな雰囲気があったので、ポジティブな雰囲気に変えていけるように、いろんな選手の良さを切らさないようなプレーを意識してやりました」とプレー面、精神面でチームのカンフル剤となった。

チームは1シーズンでのJ3復帰を目指している。後半戦白星スタートで好調のきっかけをつかみつつある。

「今年もケガが長引いて出遅れてしまいましたけど、前期の6連敗と、勝ち点の取りこぼしは戻ってこない。もうあと残り14試合。 毎試合絶対勝たないといけないので、スコアも意識しながらやっていきたい」と意気込んだ。

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待ち焦がれた男の復帰で、チームは生まれ変わった。盛岡の扇の要として後半戦はJリーグ復帰に向けて上昇気流を巻き起こしてみせる。

(取材・文・撮影 高橋アオ)

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