市原の武器はポジティブ思考
4試合連続のドローに肩を落とす選手もいる中、大宮の若きディフェンスリーダーは、どこか自信にあふれた表情でミックスゾーンに現れた。
市原は「無失点で抑えたところはプラスでしかないですし、最後は10人になってしまうアクシデントもありました。PK失敗もありましたが、後ろは崩れずに(失点を)ゼロで抑えたことはプラス材料です。暑くて湿度も高く、集中力を欠いてしまうところもあったんですけど、結果的にはみんなで声をかけて(失点を)ゼロで抑えられて良かったと思います」と手応えを口にした。
チームが低調なときでも、自分を見失わずポジティブに思考できる点は、市原の武器だ。
「きょうもみんな落ち込んでいましたけど、僕自身は別にそんなに(落ち込んでいない)。特にきょうは無失点で終われたし、これを続けていけば必ず勝てると思います。
ちょっともったいないと思いましたけど、リーグ戦は勝点を積み上げることが大事です。そういう意味では勝点ゼロよりも勝点1がいいです。強いて言うなら勝ちたいですが、こういうときもあります」と、すでに気持ちを切り替えた様子だった。
大宮は次節、今月28日午後7時からアウェイで大分トリニータと対戦する。
大分戦では、市原とともに守備の要として君臨してきたガブリエウは出場停止で欠場となる。
「ガブ(ガブリエウのニックネーム)に頼っているところもありますし、キャプテンとしてチームをこれまで引っ張ってきてくれている。(ガブリエウが)いないときにできないようではリーグ戦を戦えないと思います。僕が抜けたときもみんな変わらず戦ってくれていましたし、(ガブリエウ不在は)痛いですが、それでも勝ちに行きたい。
あのとき(前回の対戦)の自分たちとはぜんぜん違うので、アウェイに関わらず襲いかかります。向こう(大分)も、きょう退場者が出ていたと思うので、状況は一緒です。やることは変わらずに、後ろはゼロで、あとは前の選手が点を取ってくれることを待って勝ちたいです!」とこぶしを握り締めた。
取材では終始笑顔を絶やさなかった大宮の若き大黒柱は、J2優勝、そして11シーズンぶりのJ1復帰へ明るく闘志を燃やしている。
(取材・文・写真 縄手猟)