[天皇杯2回戦、J2モンテディオ山形 2-1 J3鹿児島ユナイテッドFC、6月11日、NDソフトスタジアム山形]

山形が2-1で鹿児島を破り、公式戦5試合ぶりの勝利を手にした。

Jリーグ杯1回戦で戦った鹿児島相手に前半は被シュート1本に抑え込む堅守で圧倒。この日先発出場した山形DF西村慧祐(けいすけ)が3バックの中央で巧みなチャレンジ&カバーと優れた危機察知能力で相手の攻撃を未然に防ぎ続けた。

後半18分に失点を許すも、前後半被シュート3本に抑え込み、同35分にFW藤本佳希(よしき)が頭で決勝弾を奪って逃げきった。

15日午後4時にホームで開催されるベガルタ仙台との『みちのくダービー』に向けて勢いづく白星を手にした。

山脈を彷彿とさせるディフェンスラインで守り勝つ

西村を筆頭に山々が連なるような山脈を彷彿とさせるディフェンスラインで、相手の攻撃を未然に防ぎ続けた。

この日先発した山形の背番号4は優れた危機察知能力で素早くボールをクリアし、空中戦では圧倒的な強さで鹿児島の攻めを遮断(しゃだん)した。

素早いカバーリングで奮闘した西村(左)

「早い時間に勢いを持って入ることができたので点が取れました。欲をいえば(失点)ゼロで終えたかったですけど、一つの隙を突かれたことで勝ったけど、いい意味で引き締めなきゃいけない。 この反省を次に生かしますし、この流れをダービーに向けていい準備をしたいと思います」と冷静に試合を振り返った。

チームはリーグ戦3連敗中と不振にあえいでいる状況だ。クリーンシートもこの日の試合を含めて5試合遠ざかっており、守備に難を残していた。ただ試合は1失点を許したが、集中力の高いディフェンスでJ3最多28得点と高い攻撃力を誇る鹿児島を被シュート3本に抑え込んだ。

「結果につながっていませんでしたけど、僕たちは自分たちが目指しているもの、やり続けてきたものを結果が出るまでやり続けるのみだと思っています。ここで一つ結果が出たことはすごく良かったです。これを続けていくことが大事だと思っています」と胸を張った。

リーグ戦中に流れていた不穏(ふおん)な空気はなく、山形イレブンは久々の勝利に自信を取り戻しているようだった。