AFCの新たなクラブコンペティションとして、2024-25シーズンに創設されたAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)。
日本からは、2023シーズンのJ1で3位に入ったサンフレッチェ広島が出場。6日に行われた準々決勝1stレグでは、シンガポールのライオン・シティ・セーラーズを相手にホームで6-1の大勝を収めている。
ところが、この一戦に思わぬ“物言い”がついたようだ。
シンガポール最大の新聞『The Straits Times(ST)』によると、広島はこの試合で「出場資格のない選手」を起用した可能性があるという。
対象となっているのは、2月27日に加入したばかりのフランス人FWヴァレール・ジェルマン。
ライオン・シティ・セーラーズ戦、ジェルマンは69分から出場すると、その5分後にチーム5点目を記録。34歳のストライカーはこれが嬉しい加入後初ゴールとなった。
問題の発端は、約1年前の2024年2月、ジェルマンが前所属であるマッカーサーFC(オーストラリア・Aリーグ)の一員として、ACL2の前身と言える、2023-24シーズンのAFCカップ・ASEANゾーン決勝でセントラルコースト・マリナーズと対戦した試合でのことだ。
マッカーサーFCが2-3で敗れた一戦で、ジェルマンは試合後に相手選手を平手打ち。翌月にAFCから3試合の出場停止処分を言い渡された。
『ST』は、マッカーサーFCがこの試合を最後に敗退し、2024-25シーズンはAFCコンペティションに参加していないことから、ジェルマンの3試合出場停止処分がまだ消化されていないのでは、と伝えている。
AFCの規律・倫理規定第38.2条には、「出場停止処分は、同じカテゴリの大陸大会における次の公式クラブ戦に持ち越される」と明記されており、これはACL2にも適用されるとみられる。
仮に出場資格のない選手を起用した場合、その試合は没収試合となる可能性が高い。つまり、1-6で広島に敗戦したはずのライオン・シティ・セーラーズが3-0の勝利を手にすることになる。
『ST』によると、アジアサッカー連盟(AFC)はすでにこの件を把握、調査を進めているとのこと。ライオン・シティ・セーラーズはこの件に関するコメントを控えているという。
なお、ジェルマンはAリーグの出場停止処分も2試合が未消化となっており、3月2日の横浜FC戦、3月16日の柏レイソル戦は出場できないことをJリーグが発表している。
広島は来週12日(水)、ライオン・シティ・セーラーズとのアウェイでの準々決勝2ndレグを戦う予定。