かつてイタリア・セリエAで旋風を巻き起こした名将ズデネク・ゼーマン氏が、脳虚血のために入院することになったという。
『ilmessaggero』によれば、ゼーマン氏は数日前から重度のインフルエンザにかかっており、その闘病の中で体調を悪化させていたという。
病院に運ばれた彼は言語障害や下肢の衰弱が確認され、脳虚血の可能性が高いと診断されたそうだ。現在は集中治療室で血液抗凝固薬による処置を受けており、意識ははっきりしており容態は安定しているとのことだが、まだ予後は不明な状態であるそうだ。
ゼーマン氏は1947年生まれの77歳。チェコスロバキアの出身であるが、プラハ大学で体育学を修めたあとでイタリアへと渡り、プロ選手としての経験がない異色の指導者として成功を収めた。
下部リーグから様々なクラブを率いて独創的なサッカーを展開し、1989年から就任したフォッジャで当時は珍しかった4-3-3のアタッキングフットボールで話題を集めた。
1994年から率いたラツィオ、そしてその後指揮したローマでも多くの選手を育てたほか、様々な指導者に影響を与えた監督でもある。
年齢を重ねても現場で働き続けていたものの、昨年健康上の理由からペスカーラの監督を退任することになり、心臓の不整脈を改善するために複数のステント(血管を拡張するためのチューブ)を装着していた。