攻撃はサプライズ補強で改善へ

昨季絶対的エースだった小森の移籍により、攻撃面に一抹の不安を抱えていた千葉。今季はMF横山暁之(あきゆき)、MF髙橋壱晟(いっせい)、FW石川大地、鳥海とバランス良く得点を重ねている。

ストライカーの新加入選手はロアッソ熊本でリーグ戦27試合10得点3アシストのFW石川とブラジル人FWデリキのみと、毎年過酷な競争を強いられるJ1昇格レースを勝ち抜くには前線が少しだけさみしさを覚える補強だった。

夏の移籍市場で補強かと思われた矢先に、本日千葉はサプライズ補強を敢行した。今月14日にJ1清水エスパルスとの今季の契約を継続しないと発表されたブラジル人FWカルリーニョス・ジュニオがジェフに加入したのだ。

昨季髙橋(右)とマッチアップしたカルリーニョス(Getty Images)

カルリーニョスは清水の攻撃をリードしてきた選手であり、一言でいえばスピードとテクニックを兼備したチャンスメイカーだ。

昨季はリーグ戦32試合5得点2アシストとやや物足りない数字に終わったが、2020年シーズンはJ1で29試合10得点3アシスト、2023年シーズンはJ2で36試合15得点3アシストを記録。特に2023年シーズンは左サイドを主戦場にしながら、これだけの結果を挙げた実力は並外れている。

さらに清水加入前はスイス1部ルガーノで2季連続リーグ戦二桁得点を記録するなど、欧州でも活躍した実績を誇る。

左サイドを本業としているが、右サイド、トップ下、シャドー、センターフォワードもこなし、チーム事情や局面に合わせたポジションチェンジも可能なため、千葉にとって僥倖(ぎょうこう)ともいえる補強となった。

前線、中盤は小森以外の主力流出がなかったため、昨季の積み上げ、新戦力の連係向上が噛み合えばJ1昇格レースで先頭をキープできそうだ。