今後ステップアップするかに注目
そもそも町田でも3シーズンでリーグ戦83試合(先発は31試合)4得点と結果を残していた選手がなぜJ3へ移籍したのか。当時を知る関係者に聞くと町田退団後に単身渡独し、ドイツのチームの入団セレクションを受験したという。
ただそこでチャンスをつかみ切れず、川崎のアカデミー時代の恩師である当時宮崎の指揮官だった髙﨑康嗣(やすし)監督に見込まれる形で宮崎へ加入した。
「そもそもブンデスリーガに行こうとしていた人がJ3にいるんです。どこのチームにいようと、岡田くんがすごいことに変わらない。僕は湘南の福田選手や浦和の長倉選手みたいに上へはい上がるような感じになると思っていますけど」と宮崎時代の岡田と対戦した選手はステップアップを予期していた。
当時J3のYSCC横浜からJ1湘南ベルマーレへジャンプアップした快速FW福田翔生(しょう)、関東1部東京ユナイテッドから当時J2ザスパクサツ群馬、J1アルビレックス新潟そしてJ1浦和レッズへとたどり着いたチャンスメイカー長倉幹樹(もとき)と下部リーグからサクセスストーリーを辿った選手もいる。
昨季奈良でクラブ史上初のJリーグでのハットトリック(自身2度目)を達成するなどキャリアハイの活躍を披露しているだけに、今後の活躍次第によってはJ2どころかJ1へのステップアップ移籍の可能性もあるだろう。
一方で岡田は実直で真面目な性格であり、チームの勝利を熱く求める人柄だと複数関係者から聞いた。奈良を高みへと導く形で、当人が最も幸せな形でキャリアを歩んでほしい。
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同業者であるプロが手放しで絶賛する実力を持った岡田は、今後どのようなキャリアを描くのだろうか。現在は能力に見合った知名度ではないが、いつの日か大観衆を沸かせる岡田を観られる日が近いかもしれない。
いま一番取材したい選手の今季の活躍を見逃さないようにしたい。