[総理大臣杯1回戦中京大(東海1部)2-1流通経済大(関東1部)、4日、宮城・みやぎ生協めぐみ野サッカー場Cグラウンド]

東海大学1部中京大が2-1で大学サッカー屈指の強豪である関東大学1部流通経済大を撃破した。試合序盤は流通経済大の鋭いショートカウンターや圧力に押し込まれるも、細かく丁寧にパスを繋ぐ真っ向勝負のパスサッカーで2得点を先取して同杯優勝3度の名門を打ち破った。

鳥栖復帰を目指す中京大のワンダーボーイが決勝弾

中京大のワンダーボーイが大役を果たした。1-0の後半30分に流通経済大DF根本健太(4年、千葉・東京学館高、J1浦和レッズ内定)のロングフィードを中京大守備陣がパスカット、左サイドでパスを受けたFW増崎康清(1年、サガン鳥栖U-18)がドリブルでペナルティエリア内へ侵入して右足一閃(いっせん)。

決勝弾を決めた中京大FW増崎(左)

決勝弾をゴールマウスに叩き込むとイレブンは歓喜の輪をつくり、喜びの雄叫びをピッチ中に響かせた。増崎を先発起用した吉井直人監督は「彼のスキル、戦術理解がすごく良かった。1年生チームでやっていた選手が出て堂々とやってくれたことが、この勝利につながったと思います」とワンダーボーイを称えた。

この日抜擢されたスーパールーキーは昨年7月に右ひざ前十字じん帯断裂の大ケガを負って高校ラストシーズンを棒に振った。負傷するまでは鳥栖U-18の主力選手として活躍していたため、「メンタル的にも身体的にきつかった」と増崎。2カ月前に復帰を果たし、大舞台で決勝弾を挙げただけに喜びもひとしおだ。

「ゴールを決めたときは何も考えていなかったですけど、ホッとしました。ボールを持ったら仕掛ける意識が頭の中にずっとありました。(決勝点前に)ボールを持ったときは1対1の状況だったので、仕掛けてゴールしか考えていなかったです」と胸を張った。

4年後は自身を育てた鳥栖への復帰を目指す増崎。左サイドから優れた技術で相手をかわし、敵守備陣を切り裂くドリブルと決定力に優れており、今後の成長が楽しみな逸材だ。

「やり続ければいつか報われる日が来ると信じてやっていきたいです。4年後は鳥栖に戻りたい気持ちがありますし、ぶれずにやっていきたいと思います」と古巣への返り咲きを誓った。