Qolyアンバサダーのコラムニスト、仙太郎によるレポートをお届けします。

審判員やC級コーチライセンスを持つサッカー指導者で、Qolyアンバサダーの仙太郎が語るサッカーニュース。今回はテレビでもおなじみの、あの名選手の監督解任のお話です。

 J3のSC相模原で監督を務めていた戸田和幸氏が、成績が極端に悪くないにも関わらず突然解任されたことが話題となっています。

監督の解任はサッカー界では珍しくありませんが、今回は通常のケースとは違い、注目されています。

成績と解任のギャップ

現在、SC相模原はリーグで9位に位置し、自動昇格圏の2位とはわずか勝ち点3の差しかありません(6月21日現在)。

一試合で追いつける状況であり、このタイミングでの解任に対しては驚きの声が上がっています。

独走している首位の大宮との差は大きいものの、今シーズンの残り試合数を考えると、まだ十分挽回の余地があると言えます。

監督の役割と現代の課題

名解説者は必ずしも名監督とは限りませんが、戦術をシンプルに伝える技術は監督として非常に有益です。

しかし、現代の監督は戦術だけでなく、選手のフィジカル面や精神面の管理、トレーニングのオーガナイズなど、多岐にわたるタスクをこなさなければなりません。

特に、予算が限られているJ3クラブでは、監督が多くの役割を担う必要があります。

監督の評価基準

優れた監督かどうかを見極めるための重要な要素の一つは、練習内容です。

試合中は監督ができることは限られており、監督の仕事の大半は練習にあります。

練習の目的や内容を明確に説明できる監督は、成績が一時的に悪くても将来的には好成績を期待できます。

チームのモチベーション管理

チーム全体のモチベーションを高く保つことも監督の重要な役割です。

試合に出ていない選手やベンチ外の選手のケアも含めて、長いシーズンを通じて一貫したパフォーマンスを維持するためには、監督のリーダーシップが欠かせません。

外部から見て戸田氏の監督の手腕がどうだったのかを判断するのは難しいですが、昨年、開幕直後に理想を求めて負けが込んでいた状態から、シーズン途中で現実的な路線に変更し降格圏を脱出。

今年も2位に勝ち点差3の9位であることから彼の監督としての能力に著しく問題があったとは考えにくいと思います。

解任の真の理由


となると今回の解任の理由として考えられるのは、成績以外に選手やフロントとの関係悪化です。

シーズンがまだ半ばであり、挽回の余地がある中での解任は、単純な成績不振だけでは説明がつきません。

昨年も含め、フロントとの関係や選手とのコミュニケーションに問題があった可能性が考えられます。

フロントとの関係

昨年、戸田氏は成績が悪い状況でも選手を批判することはなく、選手の成長に手応えを感じていた様子でした。

したがって、選手との関係悪化が解任理由である可能性は低いと考えられます。

一方で、J3では異例の3年契約で迎えられた戸田氏とクラブ側の考えに乖離があったのかしれません。今年、J2への昇格を目指したクラブ側と1年目と2年目は成長の期間と考えて、3年目が勝負と考えていた戸田和幸氏ということは十分に考えられる解任理由です。

真の解任理由は霧の中ですが、クラブはJ2昇格を目指すために、監督解任という判断をしました。その結果がシーズン終了時にどうなっているかは、誰にもわかりません。

そして突然、監督が解任されたサポーターは取り残された感じが否めません。

相模原の戸田和幸氏の突然の解任は、成績が低迷していないにも関わらず起きたことで、多くのサポーターや関係者に衝撃を与えました。現代の監督に求められる多岐にわたる役割や、監督とチームとの関係性がいかに重要であるかを改めて考えさせられる出来事でした。今後のSC相模原の動向に注目が集まる中で、戸田氏の次なる挑戦にも期待が寄せられます。

ライター:仙太郎
東京都でU12指導者歴12年。C級コーチライセンス、4級審判員保持
指導者目線の独特なレポートをSNSやQolyで発信中
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