これまで検討された4つの建設候補地

本港区エリア ドルフィンポート(DP)跡地

真正面に鹿児島のシンボル桜島が見える市内の一等地。複合商業施設「ドルフィンポート」が2020年3月に15年間の営業を終えて解体され、現在はウォーターフロントパークに隣接する駐車場となっている。

前任の森博幸市長時代から有力な建設候補地だったが、この場所では地権者である県のもと老朽化した総合体育館を新設する「スポーツ・コンベンションセンター」の整備計画が進んでいる。

民間資金を活用した社会資本整備(PFI)手法の導入が想定されており、事業費は現状最大313億円。県は2029年9月の開業を計画しているが、事業費のさらなる高騰が見込まれ、コンベンション機能の有用性などを疑問視する声も根強い。

本港区エリア 住吉町15番街区

DP跡地から種子・屋久高速船旅客ターミナルを挟んだ場所に広がる県有地。現在は一部が駐車場として使用されており、上記のスポーツ・コンベンションセンター基本構想でも体育館の駐車場として位置づけられている。

こちらもDP跡地と同じタイミング(2023年6月)で鹿児島市は整備計画を断念。ただ、利活用の方向性自体については議論の途上にあり、鹿児島商工会議所は国際会議や展示会など「MICE」施設の整備を提言しているとのことだ。

ちなみに、スタジアム用地としては海側に開けた低層のバックスタンドで知られるミクニワールドスタジアム北九州と比べても縦長。そのため鹿児島市の計画では桟橋構造での敷地拡幅が想定されていた。