昨年12月にV・ファーレン長崎とサントスとの間で発生したファビオ・カリーレ監督の二重契約事件が、ついに解決への一歩を踏み出しそうだ。

11月にV・ファーレン長崎と契約を延長していたファビオ・カリーレ監督を、12月に突如サントスが指揮官に招聘。記者会見も行うなど就任をアピールしたが、長崎からは「オファーも送られていない状態」だと不服を申し立てる声明が発表された。

本来は長崎との契約を解除しなければ他のクラブを指揮することはできず、そのためには700万レアル(およそ2億円)の違約金を支払わなければならない。

ただサントス側は2部に降格したこともあって経営状態が悪く、今年就任したマルセロ・テイシェイラ会長は違約金の支払いを拒否していた。

しかしながら、このままではファビオ・カリーレ監督は公式にサントスの指揮をとることはできず、長崎がもしFIFAに訴えた場合は補強禁止処分などかなり重い罰則が課せられる可能性が高くなっている。

そして今回『Globo Esporte』が伝えたところによれば、V・ファーレン長崎とサントスは12日の午前8時(日本時間では午後8時)にリモートで会談を行うことになったという。

出席するのはV・ファーレン長崎側の理事に加え、サントス側からはマルセロ・テイシェイラ会長、コーディネーターのアレシャンドレ・ガーロ、ファビオ・カリーレ監督の代理人パウロ・ピトンベイラ、弁護士のブレーノ・タヌリらが参加するそう。

記事によれば、サントス側はもともと違約金の支払いをゼロにするようパウロ・ピトンベイラ代理人に交渉を任せていたが、その期待は叶わずに長崎と直接会談を行わなくてはならなくなったとか。

関係者の間ではすでに一定の合意を示す電子メールでのやり取りがあるものの違約金の支払い方については明確になっていないようで、サントス側は不要になった選手の譲渡という条件を交渉する可能性があるそう。

先日の報道では、V・ファーレン長崎に提案される可能性がある選手はイヴォネイ、ルーカス・リマ、スティベン・メンドーサ、ジオゲネス、パウロ・マゾチ、ヴィニシウス・バリエイロ、エジ・カルロス、カドゥ、ペドリーニョ・スカラムーサだという。

カリーレ監督の“強奪事件”サントスとV・ファーレン長崎が12日にリモート会談へ…「不要選手の譲渡」も提案か

ただルーカス・リマなどは月1200万円の報酬を受け取っている元ブラジル代表選手であり、彼のような選手が日本の2部リーグに行くことに納得するか、そして給与の支払いをどうするかという点でいろいろな問題に直面することが予想されている。

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