今月開幕するアフリカネーションズカップに向かっていたガンビア代表が、致命的な飛行機のトラブルに見舞われていたようだ。
ガンビア代表はトレーニングキャンプを行っていたサウジアラビアから一度母国へと戻り、それから会場となるコートジボワールへと飛ぶ事になっていた。
しかしながら、ガンビアのバンジュール空港を飛び立った小型飛行機が大きなトラブルを抱えていたよう。
チャーターされた小型飛行機の中は猛烈な暑さで、さらに空調が滞ったことから内部は酸欠状態となり、気を失う選手や監督も出ていたとのこと。
「離陸すれば空調は回復する」と説明していたパイロットもさすがに危険を感じ、離陸から9分後にバンジュール空港へと緊急着陸。なんとか無事に全員が生還することができたという。
かつてマンチェスター・ユナイテッドのユースでプレーしていたDFサイディ・ジャンコは、この出来事に関して以下のように語ったという。
「我々を飛ばすための飛行機に乗り込むとすぐに、汗が滴るほどの猛烈な暑さに見舞われた。ただ乗組員は『離陸すれば空調が始まる』と保証してくれた。
ただ、非人道的なほどの暑さと酸素不足によって多くの人が強い頭痛とめまいに見舞われ、数分後には深い眠りに陥る人も出てきた。
パイロットはその後緊急着陸する以外に選択肢がなくなり、それは成功した。もしそれがなかったら、飛行機の中は完全に酸素がなくなっていただろう」
ガンビア代表の監督を務めるトム・サンフィー氏も「みんな死んでいたかもしれない。私もすぐに眠りに落ちてしまった。9分間酸素の供給がなかったため、パイロットは空港に戻ることを決めた。危うく一酸化炭素中毒になるところだった。あと30分飛んでいたら、我々はみんな死んでいただろうね」と語り、かなり危険な状態にあったことを明かしているそう。
着陸後の検査で飛行機内部の圧力や酸素が失われていたことが判明しており、この運行を任されたコートジボワール航空が現在さらなる原因究明のための捜査を行っているそう。
なお、ガンビア代表はこの前日ボーナスを求めて練習をボイコットしたことで大きな話題に。協会がその一部を支払ったことで大会に臨めるようになったが、今度は飛行機のトラブルで大会の会場にたどり着くことができず…踏んだり蹴ったりの状況であるようだ。
ガンビアの初戦は1月15日に行われるセネガル戦であるが、それまでに落ち着いて試合ができる状態になっているのだろうか。