別格の存在
来場した関係者も「別格の存在だった。J2でもまだやれるんじゃないか」と太鼓判を押すほどの実力だった。トライアウト後に報道陣の取材を受けた都倉は「みんなと集まって、こんないいピッチでサッカーができる楽しさ、原点に帰れてすごく楽しい時間でした。アピール云々ももちろんですけど、みんなとサッカーをできたことがすごく楽しかったです」と笑顔で語った。
今季は22試合1得点と思ったようなシーズンを過ごせなかった。長崎ではリーグ戦26ゴールでJ2得点王に輝いたスペイン人ストライカーのフアンマの存在もあり、激しいポジション争いを強いられた。それでもこのトライアウトでは2得点1アシストの活躍は、さすがの一言に尽きる。
「即席のチームですし、各々が特徴を出す中で当然コンディションも上がってない選手もいる。ミス絡みだったりもあるので、得点云々は特に思ってないです。みんながやっぱ即席だけどチームのためにやりながら一人、一人がアピールできるような雰囲気づくりをみんなでできたのは良かったと思います」とチームプレーに徹した。ピッチ上では率先してコーチングをして鼓舞する姿もあった。
今年で37歳とプロサッカー選手では円熟期といわれる時期を過ごしているが、都倉は意に介さない。
「年齢…、それこそステレオタイプというか。みなさん年齢でやっぱり区別すると思うんですけど、きょう見てもらったら分かる通り、情熱だとかそういうのは生で見てもらわないと伝わらないものがあります。同じチームにいる方たちは僕のパーソナリティーやサッカーへの情熱は分かりますけど、それ以外の方たちは伝わらないと思ったので。僕自身まだまだ死ぬまで現役でやり続けたい。そういった意味も含めて、きょうトライアウト参加できたのはすごく良かったかなと思います」と充実した表情を見せて会場を後にした。
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さまざまな選手がこのトライアウトに参加する中で、圧倒的な存在感を見せた都倉。今後どのチームで新たなシャツを着てプレーするのか。動向を追っていきたい。
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