今季のJFLの序盤戦で最も輝いたチームといえるレイラック滋賀FC。

「MIOびわこ滋賀」というクラブ名で臨んだ昨シーズンはJFL最下位に沈み、奈良クラブとFC大阪がJリーグに昇格したためにタナボタで残留に成功したという立場であった。

しかし今季に向けて「レイラック滋賀FC」と名前を変えてクラブを一新すると、序盤戦ではセットプレーと固い守備を武器に勝利を重ね、一時は首位に立つほどの強さを見せた。

だが、6月に行われた天皇杯2回戦のアルビレックス新潟戦あたりを境に調子が低下し、ホームでの勝利は5月28日のブリオベッカ浦安戦が最後。アウェイでも7月1日の東京武蔵野ユナイテッドFCにしか勝っていない。

そこでクラブはこの夏に9人もの補強を行い(そのうち井上航基のみアスルクラロ沼津の事情により復帰している)、チームを一新。一時は47名もの大所帯となった。

さらに9月3日のブリオベッカ浦安戦で引き分けたあと、今季開幕から指揮を執ってきた寺峰輝前監督を解任するという大鉈を振るうことを決めた。

その後任として監督となったのは、今季からヘッドコーチとしてトレーニングを見ていた菊池利三氏。

現役時代はヴェルディ川崎やガンバ大阪、サンフレッチェ広島などでプレーした名選手で、昨年まではいわてグルージャ盛岡でジェネラルマネージャーを務めていた。

今季は開幕前にレイラック滋賀のヘッドコーチに就任し、寺峰輝前監督の片腕としてチームをマネージメントしてきた立場である。

これまで見てきたチームが持っているものをそのまま生かすのか。それとも壊して新しい何かを求めるのか。菊池利三新監督にとっても難しい舵取りとなったはずだ。