機能しなかった「超攻撃システム」

グループリーグ無敗同士の首位決戦、悲願の本大会出場に向けて絶対に負けられない一戦である。

試合前の国歌斉唱
ストイコヴィッチ監督が選んだスターティングイレブン

開始10分、オウンゴールでセルビア先制。ピッチサイドからはヴラホヴィッチの得点だったようにも見えた。

ヴラホヴィッチ自身も笑顔で、俺の足に当たったよ、というようなジェスチャーをしていた
フィリップ・コスティッチ(ユヴェントス所属)
キャプテンのドゥシャン・タディッチ。これで代表キャップ99試合となった
ミロシュ・ヴェリコヴィッチ(ブンデスリーガのヴェルダー・ブレーメン所属)

スタンドの子どもたちは、可愛らしい声援はもちろん、ブーイングも立派にこなす。その辺りは日本とはまた異なるサッカー文化を実感する光景だ。

子どもたちのホームの声援を受けて優位に試合が進むかと思いきや、セルビアは前半34分と36分に立て続けに失点し、あっさりとハンガリーに逆転を許してしまった。この日のスターティングイレブンはメディアでも「超攻撃的な布陣」と言われ、結果的にこの選手起用が裏目に出てしまったかもしれない。

前半の失敗を修正するべくハーフタイムに2人の選手を交代し、後半の勝負に臨むセルビア。しかしヴラホヴィッチのシュートは何度も相手GKに阻まれ、ゴールが遠い時間帯が続く。

ハーフタイムに控え選手たちのトレーニングをリードする喜熨斗勝史コーチ
ネマニャ・グデリ(セビージャ所属)
ヴラホヴィッチのシュートはハンガリーGKに阻まれる
セルゲイ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチ(左)。スペイン育ちらしく、練習場ではとても人懐こい笑顔を見せてくれる選手だ
ストライカーのアレクサンダル・ミトロヴィッチ。この夏にサウジアラビアのアル・ヒラルに移籍した
後半から投入されたアンドリヤ・ジヴコヴィッチ。ギリシャでプレーしている
ストラヒニャ・パプロヴィッチ(オーストリアのザルツブルク所属)

試合は1-2で敗戦。セルビアは結局、開始10分のオウンゴール1点のみだった。試合前日会見では「皆さん、試合を楽しんで」と最後にコメントしていたストイコヴィッチ監督だったが、この夜、彼自身は間違いなく全く楽しめなかったと思う。