今後国内復帰増加の懸念

欧州に圧倒的に有利であるなら、欧州の期限付きオファーを断れば済むと考える人間もいるが、そう簡単な話ではない。

優秀な若手選手の多くは将来的な欧州移籍を夢見ており、欧州移籍に寛容ではないクラブに移籍を嫌がる傾向にある。

期限付きオファーを断るということは、代理人、選手間にすぐ広まるトピックスであるため、優秀な若手選手の獲得が難しくなる可能性がある。

そのため、期限付き移籍のオファーを受け入れざるを得ない歪な需要と供給が生じている。

今季欧州から期限付き移籍で国内へ復帰した主な選手はJ1湘南ベルマーレMF田中聡(ベルギー1部コルトライク)、J1名古屋グランパスエイトFW前田直輝(オランダ1部ユトレヒト)、J2清水エスパルスDF原輝綺(チューリッヒ)らがいる。

もちろん、欧州で成績を残せば欧州に留まることはできる。J2大宮アルディージャからポーランド1部グルニク・サブジェに期限付き移籍したMF奥抜侃志は、保有元が買取りの意志を示さなかったため、「日本人MFは所属元クラブに戻る」とアナウンスしていた。

だが欧州の活躍が認められて、奥抜はドイツ2部ニュルンベルクに完全移籍した。