欧州クラブに圧倒的有利な期限付き移籍

そのため同移籍形態は欧州側が圧倒的に有利な側面がある。

まず諸条件が設定されている設定されているタイプであれば、選手の実力がチームにフィットしない場合は貸出元のクラブに復帰させることができるため、移籍金を投資するリスクを軽減することができる。

また、財政的に買い取りが厳しかったとしても、同形態の移籍をうまく活用すればその場しのぎの緊急補強を日本から仕入れることができる。

仮に諸条件が設定されている場合であっても、買取りの意志がない場合は飼い殺しという形で出場させなければ貸出元へ何の問題もなくバックすることができる。

そのためJリーグクラブはこうした期限付き移籍の存在により、移籍金を得にくい状況になりつつある。

この期限付き移籍がなぜ増加したのか。新型コロナウイルス感染拡大により、欧州クラブの経営は大きく悪化した。そのため移籍市場においても契約満了となったフリーの選手獲得、期限付き移籍での獲得などなるべく低予算で収まる移籍が増加傾向になった。

そして欧州と比べて平均的に違約金が低い日本であっても、お試し的な期限付き移籍により日本人選手の獲得が増えつつある。