プロサッカー選手にとって批判はある意味で勲章であるが、浅野拓磨に対する直近の風当たりはなかなかの強さだ。

先月のメンバー発表で森保一監督が「(待望論ばかりではなく)『誰を外すか』も準備して質問して」と発言した際には、浅野の名前がSNSで多く挙がっていた。

森保一監督とサンフレッチェ広島時代から師弟関係にあったこと。古橋亨梧や上田綺世が所属クラブで大活躍しているのに対し、浅野はボーフムで数えるほどのゴールしか決められていないことが主な理由であった。

それらは理解できる部分ではある。ただ一方で過去を振り返ると浅野が重要な試合において高確率で結果を残してきたのも事実だろう。

ちょっと見方を変えれば、彼は森保監督に優遇されているどころかその師弟関係によって過度に批判されていると言えなくもない。

そこでここでは、浅野の勝負強さを示す過去のゴールを思い出してみよう。

vs U-23韓国代表(AFC U-23選手権)

日時:2016年1月30日(AFC U-23選手権)
対戦相手:U-23韓国代表

リオ五輪の予選も兼ねて行われた2016年のAFC U-23選手権。

日本代表は準々決勝に勝利した時点で既にリオ五輪の出場権を獲得していたが、宿敵・韓国との決勝戦は浅野の勝負強さを決定づけるものとなった。

2点ビハインドの60分に投入された浅野は、67分に追撃のゴールを決めると、同点とした81分には逆転のゴールを記録。逆転勝利と大会初制覇の立役者となった。

浅野はエースの久保裕也が欠場を強いられたリオ五輪本番でエースFWに抜擢され、チームはグループステージ敗退となったが2ゴールを記録している。