現在のU-22日本代表は昨年9月にイタリア(△1-1、モンツァMFニコロ・ロヴェッラや、今夏よりトッテナム合流のDFデスティニー・ウドジェらが出場)、11月にはスペイン(●0-2、バレンシアMFニコ・ゴンサレスやセビージャFWブライアン・ヒルらが出場)、ポルトガル(〇2-1、アーセナルMFファビオ・ビエイラやマルセイユDFヌノ・タヴァレスらが出場)、今年3月にはドイツ(△2-2、ヘルタ・ベルリンFWジェシック・ヌガンカムやフランクフルトMFアンスガー・クナウフらが出場)、ベルギー(●2-3、アルメリアFWラージー・ラマザニやモナコMFエリオット・マタゾらが出場)ら、パリ五輪にも出場可能な強豪国の同世代たちと、全て欧州の地で対戦してきた。鈴木海音は上記した5試合中4試合に先発出場している。
「これだけの強豪国と欧州で試合ができることは嬉しいことです。ただ、欧州のチームとの試合では毎回のように前半に押し込まれることが多くて、時間の経過と共に落ち着いていくんですけど、もっと入りから真っ向勝負で行かないといけません。先に失点して苦しい状況になるのは自分たちなので。DFラインを下げ過ぎずにどれだけ耐えられるか、前に出て潰せるところで潰し切れない場面もあったので、そこは個人としてもチームとしても今後の課題だと捉えています。相手の同世代の選手はすでにA代表に招集されている選手も多く、U-22には招集されていない選手も多いです。それでも相当なクオリティとパワーです。そういう意味でも自分たちは個人個人のところで勝てていないと感じています」
来年にはパリ五輪も開催され、その出場権獲得を狙うアジア予選は、今年9月6日から12日にかけて行われる『AFC U23アジア杯予選』からスタートする。「W杯優勝」を目標にする鈴木海音にとっても、パリ五輪は飛躍の舞台にしたい大きな国際舞台だ。
「パリ五輪はすごく大きな大会ですし、対戦相手のレベルも今までより1段階も2段階も上がると思います。まずはジュビロで結果を残して、代表に入り続けていく。パリ五輪にも入るだけでなく、大舞台でも試合に出て結果を残し、A代表にも選出されるような選手になりたいですね。そのためには、これからも成長し続けていくしかないと思っています」
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取材後、鈴木海音は6月10日にU-22イングランド代表、14日にはU-22オランダ代表と対戦するU-22日本代表に招集された。
渡欧直前のJ2第19節、ブラウブリッツ秋田戦を2-0の完封勝利で飾り、良い状態のまま代表に合流している。欧州の強豪2カ国相手に成長してきたものをぶつけてもらいたい!
<プロフィール>
鈴木海音(すずき かいと)
2002年8月25日生まれ(20歳)
静岡県浜松市出身
182cm/72kg
ポジション:DF
磐田U-18在籍時の2019年3月に2種登録され、翌年4月に高校3年ながらプロ契約を締結。2020年はJ2で6試合に出場するも2021年はリーグ戦で1度も出場機会を得られず、2022年は育成型期限付き移籍にて栃木でプレー。J2リーグ34試合(先発33)に出場し、今季より磐田へ復帰。第19節終了現在13試合(先発13)に出場中。15歳の頃から年代別日本代表として活躍する現・U-22日本代表CB。両親が音大出身で、海の近くで生まれた息子に「海音」と名付けたのが名前の由来。