「脅威を感じた」チアゴ・サンタナと柿谷曜一朗との対戦を経て

2-2の引き分けに終わったダービーの中でも、相手のブラジル人FWチアゴ・サンタナには2ゴールを許しただけでなく、個人としてマッチアップした局面で違いを見せつけられた。

「チアゴ・サンタナ選手は昨年のJ1得点王ですし、J2では経験できないレベルのFWだと思います。フィジカルコンタクトの場面でも勝てていないと感じましたし、試合中も何度も嫌な動きをしてくるなと思いました。ポストプレイをした直後の動き直しやゴール前へ入ってくる動きもマークに付きにくかったですね」

また、今季のJ2を戦う中で、彼がチアゴ・サンタナと共に「脅威を感じた選手」に名前を挙げたのが、徳島ヴォルティスの元日本代表FW柿谷曜一朗だった。

4月29日のJ2第12節、ジュビロはホームに開幕から11戦未勝利で最下位に沈んでいた徳島を迎えた。開始早々にセットプレーから先制を許したジュビロは前半20分、柿谷の個人技による追加点を献上。対応した鈴木海音は股抜きを喰らった。

「あれは股抜きが来るとは思っていなくて、柿谷選手のボールタッチが大きくなった時点で『奪える』感覚でいました。たぶん、柿谷選手も最初は狙ってなかったと思います。自分が喰い付いたことで、瞬時に選択肢を変えられたと思います」

“高い授業料”を払わされた格好だが、CBは経験こそが、地となり肉となるポジションだ。

これらの苦い経験を経て、次節の東京ヴェルディ戦からの4試合で3完封を含む3勝1分無敗。彼自身も若いチームメイトと共にさらに成長を遂げている。

「競り合い、特にセットプレーからの失点が多かったので、そこは徐々に修正できてきたと思います。それ以上に自分たちがボールを持つ時間が長いので、ビルドアップで起点となることが多い自分は、縦パスの意識やサイドチェンジをする感覚を強く持つようになって、精度も上がってきたと思います」