「幸せを感じられる」チームの顔に
「チームの顔になる」リーダーシップも魅力だ。写真は第16節の藤枝戦勝利後(写真提供:ジュビロ磐田)
今季のジュビロにはJリーグ60クラブ中2番目に多い14人の「ホームグロウン選手」(※12歳から21歳の間で、少なくとも3シーズン以上、自クラブに登録している選手)が登録されている。ルヴァン杯グループA第4節の横浜FM戦では登録メンバー18選手中の10名がアカデミー出身選手で占められた。これからのジュビロを構築していくうえで、ユース出身である鈴木海音の役割は大きい。
「自分も小学生の時にジュビロのスクールに通い始めて、U15、U18と昇格して、このクラブをずっと見て来ましたし、スタジアムにも足を運んで試合も観て来ました。小さい頃から、『このクラブでプロになりたい』と思ってやってきて、今自分はそのピッチに立っていることを幸せに感じてプレーできています。そう感じてくれる選手が多くなることで地元が盛り上がり、地域の人たちからの応援も強くなります。そうなるためにも、自分がこのチームを引っ張って、もっと活躍して、チームの顔になっていかなければいけないと思っています。まずは1年でのJ1昇格、そこを目指して頑張ります!」
【日本代表】パリ五輪で結果を残し、目標はW杯優勝
今季の鈴木海音は第8節から先発に定着。それまでのリーグ戦の出場は静岡ダービーでの1試合のみだったが、そのダービー直後に渡欧。U-22日本代表での欧州遠征から帰国後に成長速度を上げてポジションを奪取した感がある。
実は昨年9月にも欧州遠征からの帰国直後に際立った活躍を披露していた。
栃木でプレーしていた彼はチームに新型コロナウイルス感染者が続出する中、実戦経験が浅い急造のDFラインを牽引。試合後には「足が攣っていた」と明かしたが、決してそうは見えない冷静かつスマートな対応で、その後に天皇杯で優勝するヴァンフォーレ甲府を相手に1-0の完封勝利に大きく貢献。サポーターには「鈴木海音で勝った試合」と呼ばれていた。
「確かに代表戦のあとに調子が良くなるイメージはあります。自分たちと同世代とはいえ、ヨーロッパの代表チームはJ2よりもスピード感があって強度も高く、どのチームもレベルが高いです。欧州遠征に行くごとに自分の全ての基準が上がって帰って来ている気がします」