“ホーム”への帰還

――そんな大学サッカーを終えて、再びエスペランサに戻ろうと思った理由は何だったんですか?

昨年10月に大学サッカーを引退したんですが、それまで特に就活とかもしていませんでした。

そこから就活をするか、サッカーチームに入るか、色々と考え、一旦は就職する方向で行ける企業もあったんです。ただ、やっぱりサッカーをしよう、プロサッカー選手を目指そうと考えました。その決断をしたのが11月くらいです。

とはいえ自分の実力を考えると、即Jリーグはまず無理だろうと。そこでどういうところから行けるだろうと考えた時に、エスペランサが現在所属している関東1部リーグは自分にとってはすごくいい強度のリーグだと感じました。日体大卒でそのまま関東1部に入っている選手も何人もいますし、Jリーグではないからといってレベルが低いわけではありません。

その中で、エスペランサは6位。自分が昔いたからどうこうではなく、1チームとして強いじゃんと。そこで、11月の半ばくらいに練習参加に行ったところ、「アキラお帰り」みたいな感じで、すごく受け入れてもらったんです。アットホーム感が半端なくて。

しかも、中学時代に学んでいたことがそのまま大人になったようなチームなので、思いやパッション、負けない気持ちなど、サッカーの根本的な部分である「人間として戦う」という部分もとにかく大切にしている。高校大学の周りの人たちにはなかったその熱量を改めて感じて、すごく心地が良かったのを覚えています。

加入はチームとしても大歓迎だと言われたんですが、一応セレクションを受けてくれと言われました。その頃はまだ別のチームの練習参加に行ったりセレクションを受けたりしていたので、すぐに決めたわけではなかったんです。他にも候補のチームがありました。

ただ、エスペランサのセレクションを受けたところ、「『フィナンシェ』のトークン枠で当選しました」と言われて、クラブのお知らせとしてファンの方々に「トークン枠で最多投票獲得しました」とリリースされてしまったんです。

「三田野選手です。今シーズンは彼にいっぱい活躍してもらいましょう」みたいな感じで。あれ、まだOKと言ってないんだけど、と(笑)。でも「数日後までに返事をください」と契約書も渡されました。

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その1週間後か10日後ぐらいにJ3チームの練習参加があったのでそこへ行くためには締め切りを延ばしてもらわないといけなかったのですが、「いや、これは流れに従ったほうが自分としては心地がいいな」と思ったんです。

こんな歓迎してくれているんだから、エスペランサで頑張ろう。自分がどれだけ頑張るかが大切だと思い、加入を決めました。

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