adidasは19日、現代サッカーで求められる異なる3つのスピードを解き放つサッカースパイク『エックス スピードポータル』を発表した。

adidas X SPEEDPORTAL

プレースピードが急激に増す現代サッカーにおいては、異なる3つのスピードの重要性に注目が集まっている。

縦への突破に必要な直線的な「スプリントスピード」はもちろん、方向転換や切り返しに必要な「ステップスピード」(アジリティ)、そしてスピードを落とした状態から相手を出し抜く瞬間的な「ゼロイチスピード」(クイックネス)。

フィジカルコーチとしてサッカー日本代表の指導にあたる松本良一氏は、ここ20年間における試合展開の高速化の理由として、分析技術の向上と戦術の高度化を理由として挙げている。

高い戦術がしのぎを削る世界で戦うためには、スプリントスピードのみならず、高強度のランを繰り返し走る力や、早い展開の中でも落ちない思考力と判断スピード、そしてデュエルの場面においてバランスを崩した状態からの素早いステップや、トップスピードへと瞬時に切り替える能力など、より多種多様なスピードがプレーヤーに求められるようになっていると話す。

adidasは今回の商品開発にあたり、世界的なスピードプレーヤーからアマチュア選手まで、多くのアスリートへのヒアリングを実施。現代サッカーの進化とともに変わり続ける「スピード」の意味を改めて見直し、松本良一氏も「ピッチで必要とされるスピードのすべて」と語る『スプリントスピード』、『ステップスピード』、『ゼロイチスピード』の3つを実現する、革新的なテクノロジーを搭載した一足を完成させたという。

『エックス スピードポータル』は、新たに搭載された“スピードスキン2.0”や”ハイスピードスタビリティシステム”、アップデートされた“スピードフレーム2.0”といったテクノロジーを兼ね備え、現代サッカーにおいてピッチ上でプレーヤーに必要とされるあらゆるスピードの向上を徹底的に追求。

また、サステナビリティにも配慮し、Xシリーズとしては初めてバージンポリエステルを一切使用せず、アッパーの50%以上にリサイクル素材を採用しながら、スパイクに必要とされる高い機能性を実現した一足となっている。

開発に携わったadidasのシニアプロダクトマネージャー、フランツィ・アウルンハマー氏は以下のように語る。

「現代サッカーにおいて、ゲームのスピードは増す一方です。より早い攻撃、より早い反応、そしてプレーヤーにもさらなる速さが求められており、『速さ』の質も時代とともに変わっています。今までは、直線的なスプリントスピードに注目が集まっていましたが、2022年のいま、スピードはより多元的になっており、メンタル面での速さやポジショニング、スペースの使い方など、異なる次元のスピードも重要視されるようになっています」

「そのためアディダスは『X SPEEDPORTAL』の開発にあたり、スピードを武器にする世界的なプレーヤーたちがスパイクに何を求めているのか、徹底的にヒアリングを行いました。そこで分かったのは、フィジカルなスピードとメンタル面でのスピードは、どちらも同じくらい重要であり、スパイクには爆発的なムーブメントを可能にする機能性はもちろん、迅速かつ自律的な動きを可能にする『ゾーン』へとプレーヤーを導く力が必要とされている、ということでした。その結果生まれたのが、多元的なスピードを発揮することを可能にした『X SPEEDPORTAL』です」