――最も上手く行ったこと、逆に上手く行かなかったことは?
上手く行かなかったことは、やはり攻撃ですね。前年度に比べて、得点が減ってしまったところ。
MIOがこういうサッカーをする…というのは、僕が指揮した1年目で分かられていました。1年目はいい意味で「ハマった」と思うんですが、2年目はやはり「分かられている」部分があって、分析もされました。
そのような時に違う方向性へ持っていく中で、自分の引き出しはもっと持っておかなければいけないと、改めて勉強させてもらいました。そういう部分では、自分自身がそのように持っていけなかった…というところもありますね。
逆にうまくいったところは、前期の試合がなかなか勝てない中、「何かを変化させなければいけない」となったあとです。
もちろん「まずは守備から整理して勝ち点を拾っていく」というやり方もあったのですが、思い切ってシステムを攻撃的な構成に変えて、それがうまくハマりました。
選手たちも積極的に取り組んでくれました。そのような時は大体困惑するものなんですが、その変化がスムーズに行えたことで、後期は内容も含めて右肩上がりになったかなと思います。
――オフシーズンには坂本選手、永冨選手、内野選手などベテランが引退した一方で、大学生を中心に補強したように思います。どんなコンセプトで補強を進めましたか?
MIOに長く所属していた選手やチームの中心になっていた存在が、かなり抜けました。時代が変わるMIOになる…というのはわかると思います。
今年は「複数のポジションができる選手を獲得した」というのが一つのポイントです。
チームに入ってからのコンバートもあると思います。「このタイプならサイドバックもできる、そしてここもできるだろうな…」と、それは僕の感覚でもありますね。
もちろん一つのポジションのスペシャリストもいるんですが、サッカー選手にとって複数(の役割が)できるのは非常に良いことですしね。
――この2シーズンはイレギュラーなことが多いですもんね。
そうですね。怪我もそうですし、コロナもそうですし。なかなか大変です。
――ここまでのプレシーズンで印象的だった選手はいますか?
みんな大きな印象を与えてくれるようなプレイをしてくれていますし、「全員」ですね。特に新人の選手はまだまだ引き出してあげなければいけない。それはこちらの役割ですね。個人というより、全員です。みんなまだまだこれから色を出していって欲しいなと思います。
――13日の開幕戦は奈良クラブとのホームゲーム。なんと昨年と全く同じカードになりました。あのときはまだフリアン監督が来日していなかったのですが、どんな印象のチームですか?
守備にしても攻撃にしても、「組織だったチーム」かなと。プラス個々のアベレージも高いですし、個人で解決しなければいけない局面でも打開できる力を持っている選手も多い。攻守ともにバランスの取れたチームかなと思っています。
――MIOにとってはリベンジマッチですね。
後期では勝ったんですが、開幕戦では先制したあとに後半逆転されて、しかもそこから開幕4連敗と続いてしまいました。今年はまた開幕で当たるということで、勝つために今一生懸命やっています。