Jリーグの2022年シーズンが開幕。リーグが始まるまでの間は多くの外国籍選手が加入してストーブリーグを盛り上げてきた。

その中で韓国の「Kリーグ」から移籍した選手たちは、実力者が目白押しだ。毎年Jリーグとの取引が多いKリーグは、これまでファン・ウィジョらが印象的な活躍をした。昨シーズンはMFチュ・セジョン(ガンバ大阪)やFWアダム・タガート(セレッソ大阪)らが日本でプレーした。

物理的な距離以外にもJリーグに身近なKリーグから今冬にJリーグに加入した選手(大学からの加入、復帰組は除く)を紹介する。

クォン・ギョンウォン

城南FC→ガンバ大阪(J1)
ポジション:CB
生年月日:1992/1/31生まれ(30歳)

今冬にKリーグからJリーグへ加入した選手の中でも注目度が高い選手は、やはりクォン・ギョンウォンだろう。

身長188cm、体重83kgの恵まれた体格を駆使したダイナミックなボールカットや空中戦での競り合いの強さに定評がある選手だ。また、利き足である左足でのボールタッチも見応えがある。韓国ではガンバ大阪を退団したキム・ヨングォンとよく比較されている。レフティーのCBならではの視野、ボールの置き所、高精度のロングフィードは、後方からしっかりパスを繋いでビルドアップする片野坂監督のサッカーにおいて大きな役割を担うだろう。

クォン・ギョンウォンは全北現代に2009年に創設されたユース高等学校チームの全州永生高等学校サッカー部の第一期生として入学。2013年に全北現代でプロデビューすると、いきなり守備的MFとして公式戦20試合に出場。当時はクラブのレジェンドであるキム・サンシク(現全北現代監督)に代わる人材として大きな期待を寄せられた。その後、UAEのアル・アハリ・ドバイ、中国の天津権健で目覚ましい活躍を見せ、アジアでは指折りのCBに成長。中国での活躍がプレミアリーグスカウトの目を引くも、当時兵役問題を解決していなかった同選手は2019年にローンで古巣の全北現代に復帰した。

金泉尚武でプレーして兵役問題をクリアにしたクォン・ギョンウォンは、2021年夏にキム・ナミル監督率いる城南FCに入団し、昨シーズンは公式戦18試合に出場。守備の要として城南FCをKリーグ1残留に貢献した。そしてシーズン終了後に中東クラブから破格のオファーが届くも、新しい環境を希望してJリーグでの挑戦を選んだ。ガンバ大阪に在籍した先代の韓国人選手のように、サポーターから愛される選手に成長してほしい。