――MLSは2節を終えた3月上旬にリーグを中断しました。今回、こういった形での再開を決断した背景などがあれば教えてください。
コロナの状況がまだ予断を許さない中で、通常のリーグ戦再開にはまだリスクが高く、州ごとに法律によっては屋外活動への制限もまちまちです。
アウェー戦への移動などの安全面を考慮、それらのリスクを最小限にしつつ、選手・スタッフ・ファンの健康状態を鑑みて、最大限に感染しないようにコントロールできる方策としてこの大会が考案されました。
――なぜ、オーランドが集中開催の地に選ばれたのですか?
全26チームの選手・スタッフを一ヶ所に集めるための宿泊施設、そしてこれだけ多くの試合を開催できるフィールド・施設を備えているためです。
もちろん、広大な敷地を保有するアメリカですので、ここ以外にも類似した施設は幾つか存在しますが、MLSの放映権を保有しているESPN社の意向も影響しているとは思います。
――アメリカの他のメジャースポーツはどのような状況でしょう?シーズン終盤だったNBAとNHL、開幕前のMLB、9月に開幕するNFLなど状況は様々ですが。
NBAもMLSと同じオーランドにて、7月31日より変則型の22チームで一ヶ所集中開催を発表しています。
NFLは開幕まで時間があるためかまだ具体的な施策は公式には発表しておらず、他のリーグの動きなどを静観しているような状況です。
MLBは6月16日時点ではまだリーグと選手協会の間での選手の労働条件への折り合いがついておらず、最悪、リーグ戦が開催できないのではないかという危機感は高まってきております。
MLSもギリギリまで、減らされた試合数に伴う選手の減俸に関して交渉を継続した末、再開に漕ぎ着けることができましたので、ここはアメリカスポーツにおける労使協定特有の問題だと思います。
※今年完成したMLBテキサス・レンジャーズの新スタジアム「グローブ・ライフ・フィールド」だが、いまだチームやファンを迎え入れることはできず…。