正直、勝てると思っていました。

準備に労力を費やせば費やすほど、負けることを想像できなくなるのは「アウェー観戦あるある」です。

僕の中では「アジア最強」と言われたイランを倒して、開催国のUAEを完全アウェーで破って優勝。

そんな理想的すぎるドラマを想像していました。

なぜなら、借金寸前まで有り金を叩いて苦労してUAEに来たわけですから…。ちなみに、帰国して3時間半後にはバイトが待っています(笑)

さて、ここまで16得点0失点の6戦全勝という驚異的な勝ち上がりを見せてきたカタールを完全にノーマークにするほど、「日本代表の勝利」を確信していた菅谷は、昼にドミトリーを出てスタジアムへ向かいました。

ご存知の方も多いかと思いますが、UAEはカタールと国交が断絶中です。

僕自身も準決勝後からは日本では見たことがないほど、心の底からの両国間の不仲を感じました。

街を歩けば、「カタールには絶対勝ってくれよ!」と声をかけられ、子供からも「カタールが嫌いだから日本に勝ってほしい!」と言われる始末。「小さいころからそのように刷り込まれているんだろうな」と悲しさを感じるほどでした。

そんな中でも、スタジアムに着くと数人のカタール人の姿が。彼らはカタールのウェアを着て大会を存分に楽しんでいるようでした。