■乾に待ち受ける“吉報”

前段で触れた通り、アラベスが志向するのは堅守速攻だ。コンパクトな守備ブロックを形成し、手数を掛けないカウンターで逆襲に転じる。全員がハードワークを怠らず、最後まで諦めず戦う実直なチームである。

乾が所属していたベティスは、ポゼッションを高めてゲームを支配するチームであり、アラベスとは“真逆”のスタイルを志向していた。「ポゼッションが高くなる=相手の守備ブロックが低くなる」ということなので、ドリブラーが仕掛けるスペースは限られる。つまり、ドリブルが武器の乾にとって、持ち味を発揮しにくい環境だったのである。

転じてアラベスであれば、カウンターの際にドリブルで仕掛けるスペースも増え、その回数も多くなることが予想される。思えば3シーズン在籍したエイバルも堅守速攻を標榜しており、アラベスではすぐに適応できるはず。エイバルで鍛えた守備力も存分に発揮できるだろう。

アラベスは1月にサイドアタッカーのイバイ・ゴメスをアスレティック・ビルバオに放出しており、前線はやや手薄となっていた。左サイドハーフでの起用が予想される乾は即戦力として迎えられており、期待は大きい。アジアカップから戻ってくれば、すぐにメンバー入りするだろう。

ライバルと目されるブルギとジョニーには連係面で劣るが、全体的なクオリティーでは上回っているだけに、レギュラー獲得は現実的だ。ベティスでの挫折を経て、バスクの地で暴れる姿に楽しみにしたい。

2019/01/27 written by ロッシ

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