━━日本の子供たちの「感情表現下手」について、岩政選手はどのような印象を持っていますか?

岩政
最近の子は特にそうなっている気がしますね。まだ昔はそこまで外国人と日本人に差はなかったなと。

Jリーガーを見ても、やはり、20代前半の選手のほうが“おっとり”しているというか…。

能登
大樹さんから「指導者から怒られることで伸びない選手もいる」みたいな話がありましたけど、こういうキャラクターの選手は特にそうなりがちですよね。

ジュニア年代なんかだと、強いチームに行ってみたもののコテンパンに言われて、サッカーそのものを嫌いになるパターンもあるかと思います。

だから、そういう選手を集めて、もう一度好きになってもらうというのも必要かなと感じていますね。サッカー選手にはならなくても、サッカーを続けることで学べることはあるから、僕としてはサッカーを好きなままではいて欲しいんですよ。

滋賀と岐阜でやっている活動のコンセプトもそこに置いています。なので、サッカー選手という括りは関係なく、面白い子が出てくればいいなという感覚ですね(笑)そうなれば、能登正人が関わった甲斐があるなと(笑)

━━そのような年代の子供たちに何か伝えたいことなどはありますか?

岩政
僕はよく言っているんですけど、「一生懸命の数を増やしておけよ」ですかね。

一生懸命やることってどうしても好きなことばかりになりますが、それだけに限定すると人生を損することも多いので。とにかく「一生懸命の数を増やす」ことが大事かなと。

子供で言えば、勉強なんかもわかりやすいですよね。やっぱり嫌いな子が多いだろうし、その時はなんのためにやっているのかがわからないかもしれないけど、一生懸命やっていれば大きくなった時に返ってきます。

例えば、数学を一生懸命やったからって、数学の先生になるわけではないかもしれません。でも僕の場合は、数学の考え方がサッカーに活きている。逆に英語は一生懸命やらなかったから、英語を全然喋れません(笑)

結局、大人になれば誰でも「あの時一生懸命やっておけば良かったなぁ」というものばかりだと思いますが、だからこそ、子供たちには「好きとか嫌いとか関係なく、一生懸命の数は増やしたほうがいいよ」と伝えたいですね。