■11位・徳島/特大のダメージも、“助っ人コンビ”が救世主に
今回取り上げた3クラブの中でも、今夏のメルカートで一番ダメージを受けたのが徳島である。大﨑玲央(ヴィッセル神戸)、山﨑凌吾(湘南ベルマーレ)、大本祐槻(V・ファーレン長崎)、島屋八徳(サガン鳥栖)と主力が4人も流出し、スタメンの見直しを強いられた。
更に主力の引き抜きという意味では、シーズン開幕前にサンフレッチェ広島へ移籍した渡大生の穴埋めも十分にできていなかった。昨季のJ2で得点ランク2位の23得点を奪ったエースを失った影響はやはり大きく、開幕から調子が今ひとつ上がらない要因となっていた。
この事態にフロントが動く。6月に日本でのプレー経験豊富なピーター・ウタカの獲得を発表し、7月にはスペイン2部のカディスよりベテランFWのダビド・バラルを補強。他にも名古屋グランパスより押谷祐樹、湘南ベルマーレより表原玄太とふたりのアタッカーを加え、巻き返しを図った。
文字通り救世主となったのが、ウタカ&バラルの“助っ人コンビ”だ。
66分 選手交代 https://t.co/EmicLs5XRb #vortis pic.twitter.com/CYHFxIAshA
— 徳島ヴォルティス 公式 (@vortis_pr) November 17, 2018
2016年のJ1で得点王に輝いた前者は、新天地でも正確なポストプレーでタメを作り、フィニッシュでも能力の高さを発揮。中盤まで降りてのチャンスメイクでも頼りになった。
また、レアル・マドリーの下部組織出身としても知られる後者は、とにかくシュート技術の高さが群を抜いていた。29節の山形戦では加入後初ゴールを含む4得点を記録し、数字上のインパクトも十分だった。
ウタカは18試合で6ゴール、バラルは16試合で9ゴールと流石の活躍を見せた。年齢的にフル稼働は厳しいが、リカルド・ロドリゲス監督は交互に起用するなどコンディションの維持に気を配っている。ともに来季も残留して攻撃の中心を担って欲しいところだ。