後半で見えたロペテギの修正(守備)

そしてプレスをかけるときは、レアルは瞬間的にほぼ全員がマンツーマンで前線から奪いに行っていた。

おそらく撤退守備はこの陣形では慣れていないのでそれをする前にボールを取り戻したかったのだろう。また、シュテーゲンからロングボールが飛んできてもカゼミロが自慢の対人能力で対応できていた。

万が一プレスを剥がされた時は、バスケスが抜群のスタミナを活かしてDFラインまで下がり4バックを形成。押し込まれた時にはマルセロも下がって5-3-2になっていた。これによりDFライン前を少し明け渡してしまうものの、サイドを上がって来るバルサのサイドバックにも対応できる。

プレスも組織的守備もその場しのぎの打開策という感じは否めないが、逆転するためには仕方ない。レアルは通れるか否かギリギリのつり橋を渡ることにしたのだ。

上述の通り、後半開始から20分ほどは攻撃がハマっていたレアルであったが決定機をなかなか決めきれずにいた。そしてついに75分、スアレスの見事なヘディングシュートにより“橋”が崩れ落ちてしまった。

やはり即席の守備システムでは無理があったのだろう。同点、もしくは逆転に成功していたならばレアルが再度システムを変更して違った試合展開になったのかもしれない。

5得点で快勝を収めたバルセロナと最大の宿敵に大差をつけられ敗れたレアル・マドリーであったが、両チームともに時折見せたポジショニングが見事だった。

「位置的優位」や「数的優位」という優位性の重要さを思い知らされる、とても興味深い試合だった。

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