FW部門
マリオ・マンジュキッチ(クロアチア)
キリアン・エンバペ(フランス)
「FWはゴールを取ることが仕事」ということであれば、満場一致で大会得点王のハリー・ケインが選ばれるだろう。
だが、やはり、6得点のうち3本がPK。さらに、決勝トーナメント以降では存在感が消えていたことを考えると、彼を選ぶことは少し躊躇する。むしろ、クロアチアの最前線を牽引したマリオ・マンジュキッチの取り上げるべきではないだろうか。
これまでそのゴール数の少なさを批判されることもあったが、彼の真の価値はゴールではない。「ポストワーク」、「献身性」、「守備意識」、「闘志」、「勝負強さ」にあり、今大会でもその特長をいかんなく発揮。イングランドとの準決勝延長後半で豪快に左足を振りぬき、チームをファイナルへ導いたゴールも非常に印象的であった。
『Opta』によると、CL決勝とW杯決勝の二つでゴールを上げた選手は歴史上4人(フェレンツ・プスカシュ(レアル・マドリード/ハンガリー代表)、チボル・ゾルターン(バルセロナ/ハンガリー代表)、ゲルト・ミュラー(バイエルン/西ドイツ代表)、ジネディーヌ・ジダン(レアル・マドリー/フランス代表という錚々たる面々)しかおらず、彼がその5人目となったようだが、これも決して「偶然」と片付けるべきではない偉業だろう。
また、同じくゴール数以上にインパクトを残したのが、キリアン・エンバペ。
リオネル・メッシ、クリスティアーノ・ロナウド、ネイマールらスターたちが大会を去って以降は「エンバペ祭り」となっていた感すらあるほど、瞬く間に「サッカー界の顔」となった。
何もないところから決定機を生み出せる、世界でも数少ない才能には、今後もビッグクラブが注目し続けるはずだ。
なお、彼のポジションは、フォーメーション上は「4-2-3-1」の右サイドであったが、「攻め残り」する時間が多く、ウィングのような立ち振る舞いだったためFW部門で選出した。
最後に次点だが、柔と剛が融合したプレースタイルでベルギーの最前線で効果的に働いたロメル・ルカク。そして、賛否両論はあるだろが、やはり大会得点王に輝いた功績は評価するべきであるイングランドのハリー・ケインとした。