「消えない影」に進化した杉田亜未、なでしこにも入り込め!

杉田のドリブルでの仕掛けやシュート力の強さ、スピードとテクニックは如何にも個人技で勝負できるアタッカーそのもの。

だが、普通の選手よりも遠心力を受けずに小さく回ることができるターンや柔軟なパスセンスも併せ持つ選手だけに、ボールタッチの数が限られるFWとしてプレーさせるのは勿体ない気もする。川澄奈穂美(現シアトル・レイン/アメリカ)のようなアタッカー色と、宮間あやのような司令塔的な色を併せ持つのが杉田の特徴だからだ。

シャドーに固定された今季の杉田はボールタッチが増え、ややもすれば器用貧乏にもなりそうな万能な能力を使い分け、「プレーの選択肢が増えた」と話してくれた。

日本の6月は梅雨の時期となり、太陽が出ない日が続く。

しかし、現在の杉田は太陽が出ようが出まいが、昼だろうが夜だろうが、天気が晴れだろが雨が降ろうが、「消えない影(シャドー)」として進化しているように見える。

あとは本人も目標としているように、チームのリーグ優勝と共に個人としても得点王を獲れれば、なでしこジャパンへの復帰も近いだろう。実際、第8節の敵地でのスフィーダ世田谷FC戦では、なでしこジャパンの高倉麻子監督が視察に訪れていた。誰をチェックしていたのか?は明らかだろう。

なでしこジャパンの攻守の要であるMF阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)が怪我で長期離脱することが発表された。阪口自身はボランチだが、今後は中盤の構成にも変化が出て来るだろう。

そんな時、代表でもこの「消えない影」…まさに「くノ一スタイル」で戦う杉田亜未を観てみたい!

【伊賀FCくノ一 今後の日程】リーグカップで決勝進出を目指す!

リーグは前半戦終了と共に9月まで中断期間に入ったが、同時に『プレナスなでしこリーグカップ』のグループリーグが再開された。

伊賀FCくノ一は2部のBグループに入っており、6月10日に開催されたグループリーグ第5節では、ASハリマアルビオン相手に1-1と引き分けたが、杉田は直接フリーキックで貴重な同点弾を決めた。試合結果は消化不良な部分もあるが、ここまで4試合で3勝1分の無敗。リーグ同様に前半戦を首位で折り返した。

グループ首位だけに権利がある決勝進出に向けての日程と現在の順位表は以下の通り。攻撃時の陣形が『Vフォーメーション』になるサッカーの歴史を感じさせ、「消えない影」となった杉田亜未の活躍を是非とも現地でご覧あれ!

≪プレナスリーグカップ2部 :Bグループ≫
→なでしこ2部クラブを地域別に2組に分け、ホーム&アウェイ総当たり2回戦のグループリーグ首位同士が7/21or7/22に決勝戦を戦う。

第6節、6/17 (日) 13:00K.O. 愛媛L VS 伊賀FC@ニンスタ

第7節、6/23 (土) 13:00K.O. 湯郷ベルVS伊賀FC@美作

第8節、7/1 (日)  14:00K.O. 伊賀FC VS バニーズ@上野

第9節、お休み

第10節、7/16 (月) 15:00K.O. ハリマVS伊賀FC@三木陸上

筆者名:hirobrown

創設当初からのJリーグファンで、各種媒体に寄稿するサッカーライター。好きなクラブはアーセナル。宇佐美貴史やエジル、杉田亜未など絶滅危惧種となったファンタジスタを愛する。中学・高校時代にサッカー部に所属。中学時はトレセンに選出される。その後は競技者としては離れていたが、サッカー観戦は欠かさない 。趣味の音楽は演奏も好きだが、CD500枚ほど所持するコレクターでもある。

Twitter:@hirobrownmiki

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