フロレンティーノ・ルイス

この試合におけるU-21日本代表は、上述のジョアン・フィリペや、欧州王者に輝いた2016 U-17EUROにて得点王とMVPをダブル受賞しているゼ・ゴメスらの個人技を前に苦戦した印象が強いが、同様に攻撃の面でもほとんどの時間帯で自由を得ることができなかった。

その理由がアンカーポジションにこの男の存在があったからだ。ポルトガル代表の応援の名選手コスティーニャを連想させるような確かな判断力と高いボール奪取を持つが、同時にフィジカルの面にもストロングポイントがあり、今回のワールドカップには残念ながら怪我で招集が見送られたダニーロ・ペレイラにも近いタイプだ。

攻守両面で常に首を振りながら周囲の状況把握に努め、ただ、バイタルエリアを埋めるのではなく、時にはポジションを上げて高い位置からボールをかっさらうダイナミズムは、いかなる戦術にも対応できるだろう。

所属するベンフィカのBチームは「クラブ史上最強世代」と一部で言われ、今季4季ぶりに国内リーグを制した。

このフロレンティーノ・ルイスだけではなく、中盤には同じくトゥーロン国際大会にも参加しているダヴィド・タヴァレス。前線には、今稿で何度も触れているジョアン・フィリペとゼ・ゴメス。さらに、スピードスターのメサケ・ジュ―など、数多のタレントが揃っているチームであれば、至極当然。そして、この中から未来のA代表が生まれることもまた当然の流れだろう。

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