ジョアン・フィリペ

言わずもがな、トゥーロン国際大会はエリートたちがビッグクラブへステップアップするための登竜門である。

当時、スポルティング・リスボンで売り出し中だったクリスティアーノ・ロナウドがこの大会で注目を浴び、後にマンチェスター・ユナイテッドへ移籍するきっかけの一つになったことは有名は話だ。

そして、その偉大なる先輩の「後継者候補」として、ポルトガルで大きな期待を抱かれているのが、ジョアン・フィリペ。ジョタの愛称でも親しまれ、この試合においても「最も違い」を感じさせたプレーヤーである。

独特な緩急の付け方に一瞬のスピード、1vs1において絶対的な自信を持っている抜群のボールテクニックが融合したドリブルは、この世代の「枠」を完全に逸脱。

そのクオリティーは、上述したロナウドの若き日を彷彿させるものであるが、プレーバリエーション、状況判断能力、インテリジェンスなどの面では、当時のロナウドのそれを明らかに凌駕している。

14歳でマンチェスター・ユナイテッドへのトライアルに招待されるなど、成功者への道のりを順調に歩みつつあるが、ここ数年の間に大転換期を迎える可能性は高い。

サッカーファンであれば、その名前は必ず覚えておいて損がない、若き俊英だ。