三好康児
同大会で背番号10を与えられた、当代屈指のアタッカーはその期待にそぐわぬ輝きを放った。
今季からレンタルで加入している北海道コンサドーレ札幌でも見せているように、DFとMFのスペースを突くフリーランニングと積極的なアタックを敢行。同じトップ下の位置で起用された森島司と共にトルコ守備陣に手を焼かせ、49分にはその連携から先制点も奪ってみせた。
細かいタッチからすぐさまシュートモーションに入れるコーディネーション能力、また同時に確実に厳しいコースを射抜けるキックの技術は、対峙する相手にとっては極めて嫌なもの。
実際ゴールシーンでも、トルコのDFアディル・デミルバーがシュートブロックの態勢を作りつつもバランスを崩していたが、それは三好特有の「タイミング」に翻弄された結果だろう。
とは言え、一方で課題もあり、この試合では味方選手がサイドから崩そうと仕掛けた場面において、ゴール前でのポジショニングが曖昧な印象であった。
ワントップに入る小川航基だけでは、屈強な守備陣を破壊するには力強さにやや欠ける。
そのため、彼がゴール前に入ったところでその後ろから入り込みプルバックを促す、またはファーサイドに流れるボールを待ち受けるなど、クロス時における工夫は必須だろう。
今後もシャドーの位置でチームを引っ張るのであれば、ゴール前での迫力不足やスピード不足は解消したいところだ。