もちろん、選手としての優れた能力もあるだろう。しかし、彼の生き方や人生哲学がそれを支えているのかもしれない。
昨日の会見の中でその哲学を垣間見ることができた。
「私も、私の家族も日本の文化に馴染んで、ともに過ごしていきたいと思っています」
「先程も申し上げましたが、日本は素晴らしい国です。その文化は素晴らしい。できるだけ早く日本に慣れて活躍したい。日本の生活を楽しみつつ、プレーも楽しみつつ、役に立ちたいです」
「(日本の何が好きですかと問われ)全部です。日本人も好きです。そして一番重要なのは文化に溶け込むこと。国民の一員になりたい。ここは祖国とは違いますが、この文化の一員になりたいです」
イニエスタは何度も日本の文化に言及し、大切なのは慣れる・溶け込みことと繰り返し強調したのである。
その言葉からは12歳にして異なる歴史と伝統を持つ地域に飛び込み、22年間、カタルーニャの象徴たるクラブに全て捧げた彼の強い信念のようなものが感じられた。
現地の文化や習慣を尊重し、彼らの役に立つこと――この姿勢こそが彼を世界最高のプレーヤーと呼ばれるまでに至らしめ、同時にクラブの英雄として称えられるようになった秘密なのではないだろうか。
昨年、カタルーニャで独立の是非を問う住民投票が行われ、スペインとの対立が激化した。
ピケやシャビ、グアルディオラといったカタルーニャ人が独立を願う発言をし物議を醸す一方、イニエスタはこのように呼びかけている。
「これまでさまざまな人の想いが交錯する複雑な問題について公に言及したことはなかったけど、僕たちが直面している今回の問題は例外だ。
確かなのは、責任者はこれ以上被害が出る前に話し合いの場を設ける必要があるということだ。国民全員のためにそうしてほしい。僕たちは平和に暮らさなければならない」
>>QolyによるDAZN徹底ガイド!料金・画質・評判・番組内容など
【Qolyインタビュー】パリ五輪出場の東京ヴェルディMF山田楓喜、トッテナムのクルゼフスキを「自分の究極系」と語るワケ