ハリルの職責は何か?

ハリルホジッチ監督に与えられた職責は何なのか。それはワールドカップ予選を突破し、本大会で成績を残すことである。

具体的な目標は与えられなかったとしても、代表監督は特殊な場合を除いて大きなコンペティションで成績を残すことが責任だ。「コミュニケーションをうまくやる」ことは決して必要な条件ではない。というより、それは別に協会側からでもできることだ。

選手と監督が断絶していても、それが必ずしも悪い方に出るわけではない。主力選手が排除されても、それが結果的に好影響を及ぼすこともある。

サッカーに限らず、なんでもそうである。被雇用者は結果を出すことが職責で、コミュニケーションの良し悪しは目標を達成するための一種の手段でしかない。

お笑いコンビや人気バンドも、仲が悪いのは当たり前。メンバーの間には直接の利害関係があるのだから、何も問題がないほうが珍しい。それでもネタが面白ければ、音楽が良ければいいのだ。金で揉めさえしなければ…いやしかしだいたい金で揉めるのだが…。

したがって、「日本に合うか合わないか」を判断する材料はワールドカップでの内容以外になにもない。

ハリルホジッチの性格がたとえ酷いものだったとしたとしても、「合わないから解任は正しい」と主張できる段階にはない。逆に監督が「敵」になることで選手が団結することだってある。

トルシエのことを言っているわけではないが、性格が日本人と合わない監督のほうが本大会は勝てるかもしれないじゃないか?

もし「日本人と性格が合わないから解任は正当」を主張するなら、ハリルホジッチの最も大きな職責は「チームといいコミュニケーションをすること」になってしまう。

それではもう、サークルじゃないか…。あ、二人サークルクラッシャーがいたっていうこと?