日本の女子サッカーの現在地=シーガルズ?

「日本の女子サッカーの現状はどうなっているのか?」

2011年のFIFA女子ワールドカップドイツ大会の優勝を機に女子サッカーのブームが起きた日本。ただ、なでしこジャパンがリオ五輪の出場権を逃した結果だけで、“暗黒時代”の到来などと捉えるべきではない。

我々日本人の多くは、なでしこジャパンが急にドイツW杯で優勝し、2012年のロンドン五輪で銀メダル、2015年のカナダW杯でも準優勝した姿だけを見てきた、からだ。

あのドイツW杯による女子サッカーのブームを文化にできなかったのは事実。ただ、それ以降に日本の女子サッカーの大きな課題である「中学生年代のプレー環境」の乏しさは解消されつつある。

なでしこリーグ1部へ昇格するためには、「15歳以下のアカデミー(育成型)チームを編成する」という条件が必要になった。

逆にもともと中学生年代の育成に特化していたチームは、「所属選手がその先にもプレーできるように」とトップチームを編成して、なでしこリーグ入りを目指すようにもなった。

それが川澄奈穂美や上尾野辺めぐみ、杉田亜未をOGに持つ大和シルフィードであったり、この日勝利したスフィーダ世田谷FCでもある。小学校の卒業と同時にサッカーを辞めなければいけない、という状況が少なくなっていることは、今後に繋がるはずだ。

そして、ニッパツ横浜FCシーガルズもそうだ。1976年に「横須賀シーガルズFC」として設立されたクラブは、OGに大野忍や近賀ゆかり、矢野喬子といったドイツW杯優勝メンバーを3人も輩出しており、小中学年代の育成に長けていた。

そんなクラブが2013年2月、Jリーグの横浜FCを運営する関連法人である一般社団法人横浜FCスポーツクラブと業務提携を締結。横須賀シーガルズの女子トップチームは、なでしこリーグ入りを目指して「横浜FCシーガルズ」へと名称を変更した。2016年になでしこリーグ2部に昇格し、現在は2部で3年目のシーズンを戦っている。

2011年になでしこジャパンがドイツW杯で優勝して以降、横浜FCとの提携やなでしこリーグ入りなど重要な決断を行ってきた。また、OGでもある山本絵美や大滝麻未ら日本代表や海外でのプレー経験も豊富な選手が加入した現在のシーガルズは、7年前からは想像もできない進化を遂げているはずだ。

ある意味、日本の女子サッカー界に起きていることを象徴しているチームにして、真正面から壁にぶつかりながら抗ってもいる。こういうチームが本気で1部昇格を狙って戦うシーズンは、刺激的で面白い。

古今東西男女問わず、2部リーグから1部への昇格の鉄則となるのは「堅守」と「強力FW」の存在でもある。神野監督就任後に整備された守備戦術と、外国籍FW級の大型万能ストライカー=大滝の加入はその視点でも心強い。カップ戦では個性溢れる新戦力のテストも並行されながら、ポジション争いが激化するだろう。

ハード面もソフト面も揃い、機は熟した。今季のニッパツ横浜FCシーガルズは、本気でなでしこリーグ1部昇格を狙う!