水色は青にあらず?

前回大会、優勝したのがドイツなら、準優勝はアルゼンチンでした。当然、今回も優勝候補に挙げられるはずですが……こっちはドイツ以上に戌年との相性が悪いのです。

<表5> 過去の「戌年」W杯でのアルゼンチンの成績

間違いなくブラジルと並ぶ南米のサッカー大国ですが、戌年の大会だとすっかり影が薄くなります。1978年の自国開催と1986年メキシコの「アステカの太陽」の狭間で、1982年は同じスペイン語圏での大会だったのにベスト8に終わりました。そして1994年、8年前の栄光から苦難の道を歩んだディエゴ・マラドーナが復活!したと思ったらドーピングで追放となり、チーム自体も決勝トーナメント1回戦で消えました。更に言えば最初のメキシコ開催、1970年はセレステ軍団が史上唯一南米予選で敗退した大会なのです(他の不出場大会は予選自体に不参加)。

アルゼンチンのホームユニフォームも青系、ただしイタリアやフランスのような深い青ではなく、国旗にも使われている水色です。もちろん、だからというわけではないのでしょうが、戌年の女神(?)にはあまり好かれていないようです。

かすかな光は砂漠の中に?

では我らがサムライブルー、日本代表を含む干支の本家、アジア代表の成績はどうかな?と調べてみたのですが……。

<表6> 過去の「戌年」W杯でのアジア地域(AFC)代表の成績

もちろん私は1993年の「ドーハの悲劇」も2006年の「カイザースラウテルンの悪夢」も覚えていますが、他も軒並み振るいません。1934年大会は当時イギリス統治下のパレスティナがエジプトに、1958年大会は独立後のイスラエルがウェールズに敗れて本大会出場を逃しました。そもそも今ではイスラエルはUEFAですし。

この中で唯一ベスト16に勝ち上がったのは、初出場だった1994年のサウディアラビアだけ。大会2勝もこれが唯一で、あとは2006年の韓国の1勝だけです。その戌年に合わせたように3大会ぶりに登場する「ハヤブサ」に期待をかけるしかないかもしれません。実はイスラム教では犬は嫌われ、預言者ムハンマドが愛した猫が大事にされるのですが。あとは、オセアニア枠で出た2006年でそのジーコジャパンを下してベスト16に行った「サッカールー」、オーストラリアです。こちらも砂漠に希望の光を追う事になるのでしょうか。ただ、こればかりは日本代表がこの干支予想を覆して欲しいと願います。

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