8シーズンぶりに鹿島アントラーズに復帰することが発表された内田篤人。
昨年8月、7シーズン所属したシャルケを退団しウニオン・ベルリンに加入したが、半年を待たずに退団することになった。
この一件で、Qoly内部では“ドキッ”とすることがあった。
この速報を配信した直後、筆者はウニオン・ベルリンが掲載したリリースの一部を“サッカーに全く興味がない”知り合いのドイツ人に見せたところ、「何これ、怖い(笑)」という言葉が返ってきたのだ。
さらにこのドイツ人は、ちょっと驚きの言葉を口にした。
「完全に失敗したな、アツト選手…」
えっ?
筆者はドイツ語が堪能ではないものの、見渡す限り、例えば「批判」に値するような単語は見当たらない。
そこで理由について尋ねてみると、彼が特に“怖い”と感じたのは「Atsuto hat uns leider nicht zeigen können, welches Potenzial in ihm steckt」の部分だという。
これはクラブの責任者ヘルムート・シュルテ氏が内田に送った言葉の冒頭。直訳すると、「アツトは残念ながら自分の可能性を示すことができなかった」という感じだ。
しかし、この文章についてドイツ人はこう返した。
「やばいよ、これ。“少し失敗した”というわけではなく“完全に失敗”という意味だよ」
えええ?日本人からすると、「力を発揮できなかったのは残念だ」程度の意味に思えるのだが…。
もちろん、母国語の人間には文章一つでニュアンスが伝わるもの。大歓迎で迎えた極東の人気選手が半年で退団することになり、その憤りがこの言葉や行間に隠されているのかもしれない。
ただ、改めて全文をしっかり確認してもらうと、「怒っているというより“残念”って感じかなー」とトーンダウン。おいおい…。
昨今はメディアによる「切り貼り」が問題視されているが、例え同じ言葉であったとしても文脈次第で真逆の意味になることがあれば、フットボールという競技の中では常識とされている単語が、外の人間には異様に映ることもあるだろう。
改めて注意しなければならないと思うと同時に、「何これ、怖い(苦笑)」と口にしたくなるようなやり取りであった。