――しかし、なぜ、そのような子供が増えてくるんでしょうか。
いつの間にか、感情を表に出さないことが美徳になってるんですよね。
――感情を出して嫌われることを避けているのか…。
でも、それは後で気付けばいいと思うんですよ。
感情出した結果として、「あ、ここまでやると嫌われるんだ…」ってわかればいい。
やる前から予防線を張っては勉強できないです。
今の子供たちは、最初から「これはダメだ」って躊躇するケースが多いですよね。
――よく公園で見かける「○○をしていけません」や体育の授業での「○○は危ないので止めましょう」という話にも近いかもしれません。
公園なんかも「全てはあなたの自己責任です!」って書いちゃうぐらい思い切ったらいいんですよ(笑)
日本は何でも環境のせいだったり周りのせいにしてしまいがちです。そして、一歩前に出ない。
その考えが、日本人の成長を阻害している気がしますね。
ただ、世の中って「やってみてからわかるもの」ばかりじゃないですか。とりあえず、行ってみたら何かは得られると思うんですけどね。
そうしていかないと、日本全体が暗くなっちゃいますよ(笑)
――「リスクを怖れる」というのは、日本全体の風潮ですよね。
まぁ、僕みたいな抜けた人間だけではダメだと思いますけどね(笑)
でも、自分のキャラクターを活かして周りをハッピーにはしたいです。僕の力で日本全体を変えることはできないので、まずは自分の周りだけでも。
「ハッピーだ!」って自身を持って言える人間が少ないですからね。
僕みたいに「自分は誰よりもハッピーだ」って思っている人間が本当に少ない(笑)
――その原因はどこにあると思いますか?
色々とあると思いますが、信念や哲学を持つことは重要だと思います。
「自分はこれで生きていくんだ」っていうものだったり、「この幸せのために頑張るんだ」とか。
僕が恵まれていたのは、親が好きな仕事をやっていて、なおかつ家族みんながハッピーだったことです。
お金がなくて、ずっと鍋ばっかり食べていた時期もありましたが、それでもハッピーを感じられる家庭だったんです。
だから、「何が幸せなのか」っていうことが、自然と見えやすい環境だったんだと思います。
彼独自の視点で語る「日本の育成年代における問題点」はいかがだっただろうか。
少々表現が生々しいところもあったが、それは彼が包み隠さずに自分の思いを語ったため。なんのフィルターも通っていない”純水”である。
育成年代に携わる指導者、そして子供たちを持つ親へたちにも届けば幸いだ。
さて、今回のロングインタビューもいよいよ次回で最終回。
最終回は本人がライフワークとして取り組んでいるデザイナーとしての生き方を語ってもらった。
まだ「能登正人って何者?」と感じている方もこれを読めば、彼のことがよくわかるはずだ。
乞うご期待。
取材・構成:カレン