チームを支えるキーマンたち

冒頭で述べた通り、今季の徳島はアグレッシブな戦いが魅力的だ。ダイヤモンド型の中盤が流動的に動いて相手守備陣を混乱させ、カウンター時には後方から選手たちがどんどん飛び出し、迫力ある逆襲を仕掛けていく。4バックと3バックを使い分ける点も含め、そのスタイルはチリを彷彿とさせる。

J2では「まずは守備から」という手堅いチームが多い中、その戦いぶりは異質である。そんなチームを支えるキープレーヤーを紹介していきたい。

まずは、アンカーの岩尾。

チームの中心を担う背番号8は、正確なパスワークと卓越したバランス感覚が最大の武器だ。文字通り替えが利かない大黒柱で、その重要性をたとえるとバルセロナにおけるセルヒオ・ブスケツである。

そして、岩尾と共にダイヤモンド型の中盤を構成する前川、杉本、島屋も鍵を握る。3人ともテクニックとハードワークを兼備する現代的な攻撃的MFで、流動的なスタイルを成り立たせる主役だ。

特に島屋の攻守における奮闘ぶりは素晴らしい。

トップ下だけでなく、インサイドハーフやサイドハーフ、そしてウイングバックを遜色なくこなす背番号11はチームに欠かせない重要人物だ。地味ながらその働きはMVP級である。

【次ページ】躍進を支える2トップ