注意すべき選手は?
その「万全ではない」シリア代表の中で注意すべきなのは?
やはりそこはメンバーが1人も抜けていない中盤のサイドということになるだろう。
右サイドに入ると考えられるのが、MFマフムード・アル・マーワス(JFAではマハムード・アルマワス)。わずか15歳でアル・アイン(UAE)に貸し出されたという「かつての神童」である。
ユース代表での実績はまさに圧倒的。誰も止められないドリブルと正確なパスで大活躍を見せた。
そこからはやや伸び悩んでおり、あの頃の輝きはない。そのため年齢詐称疑惑も…。しかしそれでも、彼の高いテクニックは健在であり、シリア代表の中心的な存在である。
小柄であるが鋭い突破から正確なボールを蹴りこんでくる。裏に飛び出してストライカーになることも出来る。
昨年10月に中国を敵地で破った際の決勝ゴールもアル・マーワスだった。警戒すべき選手である。
ただその他は…と言われると難しい。このところアル・マーワス以外の攻撃陣はほぼローテーションのようなとっかえひっかえの状況だからだ。
中盤ではMFハーリド・アル・ムバイヤードやMFユースフ・カルファ、MFファハド・ユースフら数名がポジションを争っているがどれも決め手はなく、快速ドリブラーのMFアル・ジャーファル(JFAではウダイ・アブドゥル・ジャッファル)はやや序列を下げている。
前線はハリビンがいないので、FWアル・ナクダリ(JFAではナッスーフ・ナックダハリ)かFWマルディキアン(JFAではマルデク・マルドキアン)が使われるのだろう。
しかし、このところ出番がなかったFWアル・ドゥーニ(JFAではアハマド・アルドゥーニ)も得点力に優れる選手で、ヘディングも得意だ。こちらも誰が起用されるかは当たりがつけにくい。
イラクはどちらかといえば前線に怖さがあり、そのパワーとスピード、強引さが危険だ。逆にシリアは中盤からのプレーが警戒すべきところ。日本代表はここでいい準備を行えるだろうか?
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