『Reuters』は29日、「土曜日にシリアの街アレッポでアル・イティハド対アル・ハッリーヤーのダービーマッチが行われた」と報じた。
中東地域に大きな混乱と改革をもたらした『アラブの春』を受け、シリアでは長い戦乱の時代が訪れた。
アサド政権と反政府武装勢力のみならず、他国の関与もあって戦況は膠着。そのために長く混乱が続くことになった。
特に北部の要衝アレッポは激しい戦闘に見舞われることになった。政府軍、シリア自由軍、さらにヌスラ戦線の勢力が入り混じり、多くの市民が故郷を追われることになった。
近年は空爆や砲撃も頻繁に行われており、多くの歴史的な建物や文化遺産も失われている。美しい街並みは瓦礫と化し、多くのメディアがその悲しみを伝えてきた。
しかし昨年末、アサド政権が長時間の戦闘の末にアレッポの支配権を奪還することに成功し、ついに一定の安定を取り戻した。
シリアではサッカーリーグは行われていたものの、治安が比較的安定していた首都ダマスカスと港町ラタキアで開催されていた。
だがついに先週の土曜日、このアレッポを本拠地とするアル・イティハドとアル・ハッリーヤーが地元で5年ぶりのダービーマッチを行ったという。
会場はかつて爆弾テロが行われたリーアヤット・アル・シャッバーブ・スタジアム。大勢の警備員が集まり、安全を確保して記念すべき試合の成功を支えたとのことだ。
この試合で2-1と敗れたアル・ハッリーヤーのフィラス・アル・アハマド選手は以下のように話し、とにかく地元で試合ができたことが最高だと語ったという。
フィラス・アル・アハマド
「アレッポの観客の前で、我々のピッチの上でプレーする事ができた。これまで難しい旅を余儀なくされてきたし、それが難しい影響になっていた。
ここアレッポでやれるのはいいことだよ。より良いプレーができる。この街の名前をもっと高めていきたいよ」