片方は天国から地獄へ。もう一方は地獄から天国へ。2戦合計で6対5。衝撃の2試合、UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント一回戦パリ・サンジェルマンとバルセロナの激闘を振り返っていこうと思う。
<1stレグ敗因>クロスを使えなかったバルセロナ
バルセロナのルイス・エンリケ監督はPSGの弱点をほとんど見抜けず、むしろPSGを引き立てるような戦略を用いてしまった。ダヴィド・ルイスを放出して以降センターバックのフィジカルに問題を抱え、両サイドバックの守備力がさほど高くないPSGから点を取る手段は左右を揺さぶりクロスを多用すること。
ご存知の通り、バルセロナがあまり得意とする戦い方ではない。しかし、それを考えても両翼に幅がなかったのは痛すぎた。原因はFWのメッシをやや中央よりにポジショニングさせ、サイドにネイマール、そして右のMFアンドレ・ゴメスはゲーム中サイドよりに位置することが多かった。ゴメスをラフィーニャにしていればおそらくアウェーゴールを1つは奪取出来ていただろう。
実際に1stレグのクロスのスタッツ、バルセロナは13本のクロスをあげて2本しか成功しなかった。特に右からのクロスは3本のみと極めて少ない数であった。