『FOX』は10日、「イラクの都市モースルでは、IS(イスラミック・ステート)のルールからサッカーが開放された」と報じた。
昨年末からイラクで行われてきたモースル奪還作戦。既に開始から数ヶ月が経過し、その東部地域は政府軍と有志連合によって開放された。
そして、4ヶ月に渡って閉鎖されていたサッカー場は、ついにISの管理から離れることになったという。
ISの勢力下にあった際にもサッカー場自体の運営は許されていたものの、武装勢力の管理は厳しいルールをもたらしたという。
サッカーウェアに付けられているブランドロゴ、並びにサッカークラブのエンブレム、スポンサー名などは全て禁止され、プレーする際はそれを切り取らなければならなかった。これは「偶像崇拝」を禁止するというイスラム教の教えに則ったものである。
さらに審判がホイッスルを鳴らすことも禁止されていた。それは「悪魔を呼ぶため」とのことである。
また、肌を出すことを禁止したためにショートパンツは着用不可。トロフィーやメダルについても「欲の象徴である」として禁止された。競争に値するとして大会を開くことも不可能だった。
加えて、試合を90分行うことも認めておらず、15分程度で全てを止めるとともに、イスラム教の祈りを行わせたとのこと。
そして、建物に描かれていたオリンピックの五輪マークは「異教徒の兆候である」として取り外すよう命令を受けた。
従業員のムハンマド・サディーク氏は『これは5大陸を象徴するもので、宗教とは何の関係もない』と説明したが受け入れられず、粉砕機によって破壊せざるを得なかったという。
モースルで数年ぶりのサッカーを楽しんだ26歳のオベイダ・ムハンマド氏は以下のように話し、かつての状況をこう振り返ったとのこと。
オベイダ・ムハンマド
「あれは楽しいものではなかったね。以前のスポーツにはなかった、新しいルールがいくつも導入されたよ」