ジョヴァンニ・キーン
「我々の父親は、他の家族の元へと去っていった。長年父はいなかった。4ヶ月毎に電話していたけど、愛情が必要な時期にそれを受けることができなかったんだ。
このようなことはあってはならない。離婚はできる。しかし、そうなっても子どもたちは残るんだ。親の玩具ではないんだよ。
母は看護師で、何かが欠けることのないように一生懸命取り組んでいた。
モイーズはいつも午後は一人で寂しく過ごしていたが、サッカーが彼の助けになった。チッチョ・グラッビ(ユヴェントス アカデミーコーチ)が、彼の父親代わりだった。彼は休日にモイーズとともに過ごしてくれることもあった。
父は我々のことを思ってくれているだろう。それを疑ったことはない。しかし、息子が有名な選手になったというだけで、関係を戻そうというのは容易に過ぎるよ。
母親?彼女はいつでもどこでもモイーズを支えている。彼女の関心は教育にあるし、とても厳しいよ。彼女の息子は全ての人々にリスペクトを持っているところを見せているよ。倉庫の労働者からコーチに至るまで。
その教育は、幼年時代の難しい経験と相まって、彼を成長させたんだ。子供ではあるが、16歳とは言えないくらい多くのものを心に宿している」
(モイーズはどんな人?)
「彼は陽気で、明るいよ。また小さい頃から頑固だった。ミュージックビデオを流すと、すぐに踊りだすよ。
彼はヒップホップとラップが好きだ。アスティ(イタリアでの故郷)に戻ると、友人とともに街へ出て、音楽とともに去っていく。
子供の頃は、インテルにいたオバフェミ・マーティンスの宙返りが好きだったね。叔父はミランのファンだったんだけど、今ではもうユヴェントスに鞍替えしているよ」
ユーヴェでデビューした16歳、父に捨てられていた
Text by 石井彰(編集部)
カズに憧れて全身赤のスーツを買ったことで校内一の人気者になったが、中身が伴わず一発屋で終わったというエピソードを持つ島根県出身のエディター。その影響か赤いチームを好み、ヴァランシエンヌ、レイションエス、ノッティンガム・フォレストなどを応援している。
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